〈「ふるあめりかに袖はぬらさじ」に変更になったことについて〉
シネマ歌舞伎で観たきりで、なんとなく、もう舞台で拝見できることはないんだな、と思い込んでたこの演目。
仁左衛門さんの休演により演目が差し替えられ、結果観られることになるなんて、本当に何が起こるかわからないし、諦めるものではないなと、今回のことでさらにさらに思いました。
仁左衛門さんの六月の休演は、命にかかわるようなご病気ではなかったら、仁左衛門さんにとってもゆっくりお休みされることが必要な時で、すべてが進んでいったんじゃないか、と思ってました。
とはいえ、七月も何が理由かはわからないけど体調不良でいまのところお休みされるそうですし、大きな声では言えないですけども。でも、色んなことを知るほどに六月に関しては必要なことが起こったのかな、そう思わずにはいられませんでした。
今回、新派の方たちとの合同公演。過去の配役を調べると、平成19年の歌舞伎座で上演されたもの以外は、すべて歌舞伎でない人達も出てるんですね。マリア役の新派の伊藤みどりさんは初演のときから度々この役で出てらっしゃるし、新派の方たち(新派以外の方もいらっしゃいますけど)との共演が多く、そもそもジャンルの垣根を越えて作られてきた舞台みたい。
あと、新派の水谷八重子さんがご自身のTwitterで、「今年は新派公演が全く無い」と書いてらしたので、新派のかたたちは公演できずに困ってらっしゃったんだろうなと思います。
演目差し替えは松竹からの提案を受けて、「日本橋」か「ふるあめりか」の相談があったそうで(この演目自体についてはどちらが提案されたんだろう?と思いますけど)そしてふるあめりかに、決まったそう。
それらも書かれている記事はこちら。 取材した塚田史香さんによる、玉三郎さんのインタビューはこちら。塚田さんの記事はいつも的をえていて、知りたいことを聞いて下さっていて、本当に良いライターさんだなぁと思います。
新派と合同公演のことを聞いて、最初は玉三郎さんの新派の人達への配慮があったんだろうなと思ってたけど、もしかしたら、それもあるけどそれだけでなく松竹側も新派公演がないことを気にかけてた部分もあるのかなぁ。ということも考えられるけど、どうなんでしょうね。
今回に限らず雪之丞さんたちが出演されることが最近多いのは、そういった玉三郎さんの配慮もあるような気がします。
ということで次は本編の感想です。