やっぱりLiveが好き

目の前の空間を味わうのが好きな人の記録🍀

お話と素踊り① 5/25 サンシティ越谷市民ホール

いつもは富山清琴さんと清仁さんが演奏でご出演されるものの今回はお休みらしく、冒頭にアナウンサーの吉崎典子さんが出てこられて今回の流れを説明。

そしてその後、幕があがると、中央に玉さまが✨お一人分の椅子とテーブルがあり、玉さまが立って出迎えてくださいました。

 
お話と素踊りが始まったすみだ公演のことから経緯をお話され、始めはこのご時世でお客様が来てくださるか不安もあったが、実際幕があくと満席だったそう。
皆さん、人と会って話をしたい…といってもお互い喋り続けるようなものではなくて、(実際に会って同じ空間にいるというような意味で触れあうこと)を求めていたのでは、と。次の北海道も満席で、各地をまわり、玉さまはそのようなことをお感じになったそう。
 
何度も来てくださるお客様もいらっしゃるので会場ごとに違うお話にすることにしていて、過去には衣装のことや化粧のことについてお話したが、きょうは「女方」についてのお話、と明かされると会場から沸き起こる熱烈な拍手👏
のはずが(笑)過去にお話と素踊りでいただいた質問の中で「どうしたら美しくなれますか?」と聞かれたが、舞台の化粧の話をして答えにしてしまったけど…といいつつその話をこの日もしてくださる玉さま(笑)
 
(舞台の)化粧をするとき、まずは植物性の固い油を手で練って温めるそう。身の回りのもので例えると、バターよりもかたく、口紅くらいの固さだそう。
そして自分の元の顔が半分透けるくらいまでおしろいをぬるのが、役に自分が透けて出るような新派などの役の時。
 
地が透けること=化粧でも役でも同じこと、だからこそ普段の自分が見えてしまうから、そのような生き方をしなければ、のように仰ってた気がします。
 
中国の京劇のかたは「役者の目のなかに景色がある」と仰っていた、と。役者がその景色を見ているとそれが観客にもみえる、みたいな(全然違ったらすいません)ことだった気がします。玉さまも、「その景色が見えるんですよね」と仰っていました。
 
そして歌舞伎の化粧は厚いのが当たり前なので、私たちの「厚化粧」の三倍?が歌舞伎(舞台)化粧の「薄化粧」にあたるのだそう。
なので歌舞伎の化粧は本当に厚くて、落とすのにもクレンジング(コールドクリーム)で丁寧におとしてもまだ最初の油が落としきれず、特にえりの内側を塗ったときの背中の真ん中に残ってしまうのだそう。なのでもう一度落としたり、さらにお風呂に入るほど、落とすのは大変なのだそうです。「美しくなるには、の答えにはなっておりませんが(笑)」と玉さまも笑いながら仰ってました(笑)
 
女方 』のお話の中でお名前があがったのが杉村春子さんと勘弥さんの前の奥様でもあった水谷八重子さん。八重子さんには実子のように可愛がってくださった、って仰ってた気がします。このお二人の女優さんに学ぶことが多かったそう。
水谷八重子さんのエピソードとして、舞台に出る前の「出待ち(舞台袖で待つ時間)が極力少ないようにしていた」のだそう。お付きの人?が舞台の進行、台詞のすすみ具合をチェックしていて、八重子さんがティッシュ(のようななにか)に香水をたらして、そのティッシュで指先を「スッスッスッ」と挟んでほのかに香水をつけるのだそう。あまりキツいのはNGなので、本人に香るかどうかくらいをつけるためにその付け方だったのだそう。…このお話と再現する玉さまのしぐさが、八重子さんがどれだけおしゃれで素敵な方だったかということが伝わってくるようで。何度も見たかったと思う場面でした😌
 
そして楽屋を出て舞台袖に歩いていきそのまま舞台に出ていく、という一切の待ち時間なくちょうど出れるようにしていたとのこと。他の役者さんが台詞を飛ばすと八重子さんの出のタイミングも変わるので、その分早めたりそのつど調整してぴったりにしていたそうです。
 
玉さまが今度演じる役について、(たしか)八重子さんに習いにいったとき、玉さまはメモをとるのが苦手なので聞くことに徹していたそう。「ここでこうして、このせりふで~」ということを、ほぼずっと通しで聞いていたのだそうです。玉さまはそれで覚えてらしたんですよね、きっと…そのことに関しては仰っていなかったけど、そんな玉さまも凄いなと思います(笑)
 
そして女方と言えば「前シテ」「後シテ」で大きく変わるのも特徴、ということで、今回は「日本振袖始」の「岩永姫」から「八岐大蛇」へ、玉さまが早変わりするときの様子を映像で見ながら、玉さまが解説をいれてくださるというスペシャルな企画が‼️
幕が開いたときから玉さまの後ろに天井から下まであるような大きなスクリーンがあり、そこに玉さまが写し出されて「大きく映ってしまうとわかってしまう」のように仰っていましたが(笑)、スクリーンを遮らないように玉さまが床に座りになった姿が、横座りで可愛くてですね(笑)それだけでもたまらなかったのです(笑)
本当はこういう早替えの裏側などはお見せしていいものではないが、「もう演じることもないでしょうし」とさらっと仰ってて衝撃でしたけど、(そして、「(会社に)許可は取りました」とも)それでも周りからの声があればきっと演じて下さるはず、と私は思ってます。
そして映像は岩長姫がすっぽんから降りてくる場面。奈落からその様子を見られるなんて裏側そのものを目にできてその時点で幸せで🥰
衣装を脱いでいく玉さまにドキドキしながら(そんなドキドキするところまでは脱ぐわけないんだけどw)普通に下に着ているおきものどまりで(笑)、そこから化粧(顔)を直すことが始まります。
姫を表す(目元か口元かな?)赤い部分を落とし、化粧台に置かれた筆二本を両手にそれぞれ取り、左右一気に描く玉さま。その鮮やかさとサッと描くあまりのスムーズさ、速さが凄すぎて驚きのどよめきが会場内で上がります
そして次の筆が玉さまの前にすぐに置かれ、描かれる顔。お弟子さんがすでに色をつけてある筆を用意して置いてくださるそうです…この様子も本当に凄かった!お弟んのお仕事の素晴らしさがよーーくわかる場面でした。
そしてさほど時間もかからず化粧は終わり、玉さまが化粧をするために座っていた姿勢から立ち上がり、今度は八岐大蛇の着付け。お弟子さん達のキビキビした動きと、落ちないようにしっかり着付けてらっしゃる様子がよくわかります。
そして1~2分?余ると割りと時間がある、ということだそうで、このときも余った時間でさらに顔を描き足して手直しをされ、再びすっぽんに戻ると、裾がはみ出たり巻き込まれないようにお弟子さん?か周りの方が直し、舞台上へ戻っていかれた八岐大蛇の玉さまでした。
 
質問編へ続く