その③の続きです
〈四人の方に共通した話『伝わらない』〉
始まる前に四人の皆さんで少しだけお話したそうで、その時に共通したのは「伝わらない」ということ。精神性、心、将来を見据えること、そういった技術ではないことが、なかなか人に伝わらない。と。
玉さま以外の方たちのインタビューをあまり読んだことはないけど、玉さまのインタビューの印象として、質問する側がそこに着目してる方が少ない気がします。聞かれるのは表面的なこと、技術的なこと、「すごい」と言われるようなわかりやすい事。そういったことが多くて。
あと『人間国宝』に認定されるということは、「人間国宝だから」という見方、勝手に線引きをされて、こういった話を『自分ごと』として聞けない人がいらっしゃるのかなぁと。「あの人は別世界だから」と、相手と自分自身を分ける置き方をすると、すべての人にとって大事で耳を傾けてほしいと願ってらっしゃることも、「私にはできない」で片づけてしまうんだろうなぁ、なんて予想出来るんですが。
この話のときだったか忘れてしまったけど、玉さまも「(私達が)『選ばれし者』とかそういうんじゃなくて」と仰ってました。前後の言葉を忘れてしまったのでこういう文脈の中でではなかったかもしれないけど💦でもそんなふうに感じてらっしなるそうです。
今回お話全体を通して、四人の皆さんは、私達に理解できないような難しいことは一つも仰ってなかったです。あえて優しく言っているとか、そういう印象もなく、むしろ「伝えたい、伝わってほしいことはこんなに簡単ですべての人がわかること」ということを物凄く感じました。
自然に生かされていること、循環の中で生きていることを意識すること、そして循環を意識して選択し生きること、そういったことだと受け取ったし、
聞いたことを「いい話だった」だけで終わらせない事、自分にどうやって活かせるか、そのためにこういう機会があるんだと、今回はとくに感じました。
お説教とかお願いとかでなく、自然にそこに意識が向けられた、実感を伴ったお話でした。
・・・それが四人の方が伝えたかったことだと思うので、他のお客さんの感じを見ても、十分に伝わっていたと思います。
人と人とが実際に会って触れ合う(やり取りをすること)、その意味も今回は本当にわかりました。こういう文字だけではあくまで情報でしかないし、そこまでの感じは恐らく伝わらないので、ぜひまた機会があれば、もっといろんな方に直接聞いていただきたい、そう思います。
〈宇宙と波〉
もしかしらだいぶ違った解釈で書いてるかもしれないので、玉さまが今までされたこういったお話と合わせて読んでいただければ。
そのこと(例えば歌舞伎)について知っている人よりも、歌舞伎を知らない人が見た時に惹かれて感じたこと、その方がよっぽどそれそのものをキャッチできているのでは、というようなお話と、
誰かの作品を見てなにか惹かれた時、見た人の宇宙のなかでの波が、その作品を作った人の波と同じ(共鳴している)ということ。
以前、土屋さんが玉さまをご覧になって心が動いたことを、今度はご自身の世界で表現してこられたように、その波が別の宇宙で同じ波を起こす、でまたそこに共鳴した人が・・・ということのような気がしました。
(この話ももうちょっとっ繊細で違う表現だったんで、もし探せたらそちらの方をご覧になってみてください💦)
〈次回開催希望!〉
今回の四人の方、藤沼さんはお話も好きで楽しくて退場の時に手を振って行かれるほどお茶目で(笑)室瀬さんは全体を把握されてて、土屋さんはご自身のお仕事とともに玉さまの大ファンでらっしゃるから玉さまへの質問がすごく有り難くて、そして玉さまはご自身と同じような深さで別の世界で表現されてる方との共演だったので、話のレベルとか認識のズレのなさ、見ている将来、問題に映っていることがこの方達となら共有できているのだろうなぁと感じました。
現状や望まない事ばかりみて悲観するようなことではなく、私達が見えていないこと、こういう道があるよ、と実感させてもらえたことが本当に大きかったと思います。人間国宝だけがこの先を作っていくんじゃなくて、皆で作るもっと良い未来、そういうのものが見れた気がします。
お話の最後に、また(この機会が)あったらいいですね、と仰っていたので、私もアンケートに熱烈に定期開催希望を書いたので(笑)、次回があったらいいなと願っています。
⑤へ続く