やっぱりLiveが好き

目の前の空間を味わうのが好きな人の記録🍀

「坂東玉三郎 初春特別舞踊公演」1/2,3 大阪松竹座 <口上>

お正月から玉さまにお会いしたいなぁ…と思い
しかも今回はいつもなかなか行かない初日から観てきました‼️

どこにも記載が見当たらなかった開場時間😂
今回の松竹座は開演40分前からでした。
歌舞伎って開場時間を重視してない気がするんだけどなぜw

開場時間を過ぎて向かうと、松竹座入口両脇には門松が飾られていて
左右に玉さまの写真、真ん中の看板、その全てにお正月の飾りがつけられていて
外観からもおめでたい雰囲気満載🎍中に入ると天井の方に飾り付け

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二階のロビーには羽子板も。
そして!番附(筋書)販売の隣には、今回の玉さまのポスター販売の見本が!!!
貼りやすいサイズの2000円のものと、大きめで貼れるかなとよぎる3000円。
でも1000円の違いであの大きいサイズが買えるなんて!という気持ちにもなる(笑)
貼る場所に困りそうだけど💦赤いポスターが凄く魅力的で、欲しい・・・。

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〈お年賀 口上〉

(「お年賀」↑って書けるのが嬉しい‼️)

幕が開くと玉さまがお辞儀をされていて、その後ろには「初春」と書かれたの扇形の背景、
玉さまの両脇、上手下手にも扇形の書割?ですかね。
置かれているのではなく上から吊られて浮き上がっている(表現がw)
ここでもお正月感を感じられるお出迎えで華やかな雰囲気が嬉しい‼️

玉さまがお顔を上げられ上手下手をご覧になり、大きな拍手が起こる。
「明けまして おめでとうござりまする」👏😆お正月に聞く、本当のお正月のご挨拶✨

玉さまのお声の大きさ、言葉の出し方からも劇場の隅々まで届かせるお気持ちが
とてもこもっているのがよーーく伝わってきました。

この状況下にご来場くださり、という感謝のお言葉

(このことについては最後にも仰ってました)

松竹座とは縁が深いというお話

平成九年に再開場されてから、公演で何度も訪れていて舞踊公演は五度目とのこと。
(というような内容でした。回数は番附で調べたw)

七之助さんと舞踊公演を行ったときは玉さまが風邪を引いてしまい、
声がでなかったので、七之助さんに挨拶してもらったことがあった、と。

三日の口上では、昔はここで上映される映画を観に来ていた、とのこと!
玉さまが仰っていた松竹座再開場↑の年がいつなのか忘れて調べていた時、
今の松竹座の前身は『映画館』であった、ということが判明。
なるほど!だからなのか‼️
玉さまがわくわくで映画館に足を運んでらしたのかなぁなんて想像できる!

口上から話が脱線します(笑)番附の話

松竹座のお知らせを見ていたら、パンフレットのことを筋書でなく「番附
と書いてあって、関西ではそう言うんですねぇ。知らなかった!

で、番附に玉さま松竹座公演年表というページがあり、
見ていたらラインナップが素晴らしくて、にざ様との共演はもちろん、
舞踊公演に若手の人とご出演だったりアマテラスも。
あと「坂東玉三郎と一門による朗読の会」が1日、そして次の日に舞踊公演。
私的にはとんでもなくスペシャルな連続公演で、良いなぁ~と思いながらその文字を眺めてます(笑)

今回の口上での新しい試みについて

八月から歌舞伎座が再開し、玉さまは九、十、十二月と出演してきたが、
(口上がある)地方公演、また九月十月も口上があったので
(そういったところで)ご覧になられた方もいらっしゃるので
なるべく違ったことを、と十二月に思い付いたのは「打掛を見ていただくこと」だったそう。

打掛をどうやってお見せするのか、玉さまの周りの方達は「玉三郎の頭の中にしかない」
と思っていたそうで(笑)
ご自身のことを(人からの目線で)そのように仰る玉さまがとても面白かったです(笑)

玉さまが「打掛を五枚、ご覧いただきます」のように仰ると、客席は
『五枚も!いいんですか!!』という風に「おぉー!!」と盛り上がる‼️
五枚も一度に見られるなんて幸せ!!

打掛の説明を少しされてから、上手下手の扇形の書割が上にあがったと思います。
上手書割の後ろにはお筝とお筝を弾くお二人がいらして、下手には打掛。
お筝の音色が聴こえたのは三日は書割が上がる前、玉さまがご挨拶をされた後だったと思うけど、
二日の日も同じか、打掛を披露するときかに忘れた💦とにかくお筝の演奏が始まるんです。

お筝を演奏してくださっている方の紹介

玉さまが、お筝を弾いてらっしゃる川瀬白秋さんのお弟子さん、川瀬露秋さん達を紹介。
白秋さんのお名前を出されたか忘れてしまったんですが、
玉さまの阿古屋は川瀬白秋さん達から(もしかしたら露秋さんかも)習っていたそう。

打掛の紹介に入る時など曲が変わるタイミングがあったんですが
二日は玉さまが目でその合図をしてもなかなか気づかれず、
もう一度「お願いします」と言葉で伝えると、曲を変えて演奏されてました。
この時は「まだ初日だからかな」なんて思ってたけど、
確かどこかの記事に「お稽古一回」だったか、とにかく合わせる時が全然なかったようなことが
書かれていたので、後で知ってなるほどと思ったのでした。

二日は、お二人を紹介するタイミングが口上お話か、打掛紹介の真ん中辺り
だった気がするけど、三日の日はお二人を紹介するタイミングが
カチッと場面が変わる時になってたので、流れをスムーズにするために変更されたようでした。

あと、二日はお箏演奏のお二人とも他の地方さん達と同じく黒い三角に垂れ下がる、
マスク代わりみたいなものをされてましたけど、三日の日は最初から無しで演奏。
九月の時にも同じように途中から後見のお弟子さん達はしていなかったし
今回も確かに必要ない。お筝の幅があって横並びみたいに弾いてらっしゃるんですから。

実際にお顔を見れた時は、観ている側も気持ちがホッとするし嬉しい。
玉さま自身も十二月の演奏の方達は(黒いマスクみたいなのしてるから)
後ろへ下げぎみにすることでお客様への配慮をする、という風に仰っていたし、
そういう心理的なものへの配慮もきちんとしてくださる、
恐れや人目を気にしての選択ではなく、ベストな判断をして即実行されるのが
今回もさすがだなぁと思いました。

揚巻の打掛の話

打掛の紹介の始まり。揚巻の、背中真ん中に伊勢海老が飾られてる打掛が登場すると
「正月飾りを背負ってるなんて可笑しいですよね(笑))」
というようなことを仰る玉さま(笑)
こういう飾りは、花道や別の場所に皆の視線が行っている時などにそっと外すそう。

揚巻の衣装は全部で40キロとのこと。
10年前(かな?)に演じた時、少しでも軽くしようと工夫してみたものの、
一キロしか変わらず39キロだったと(笑)
この辺のお話の仕方がコメディの才能がある人の間というか絶妙で、
客席の私達も笑って楽しかったです(笑)

揚巻の打掛について以下①の部分、単語は玉さまが仰っていたことは確実なんですが
うろ覚えなので、自分が調べたものを合わせて書いてます。
なので玉さまがこのようなことを仰っていたかも、程度に💦

①打掛には四季のものが描かれ、無病息災を願う節句の文様が描かれているとのこと。
節句は中国にルーツがあるらしく、揚巻には五節句のモチーフが飾られているとのこと。

揚巻の打掛は、着ることが出きない(難しい)ので掛かったものをお見せいただきながら、
説明してくださったけど、ここからはすべて玉さまが実際に着て見せてくださいました。

お弟子さん達

玉さまが打掛を着る時は、お弟子さん達が舞台上にお越しになり、
玉雪さんは玉さまの後ろから打掛をかけ、前に持っていき、後ろを整え、
功一さんは玉さまの前から元々玉さまがお召しになっている着物の袂を打掛の中にしまい、
玉朗さんは玉さまが脱いだ打掛を舞台袖へ持ち帰る、ということをされてました。

お正月の揚巻の打掛は紹介が終わった後も舞台上にそのまま掛かっているので、
玉さまのお着替えが終わると玉雪さん達はその打掛の後ろへ下がり、次のお着替えまで
常にお二人か三人で待機。
手前に玉雪さん、奥に功一さんが向きを互い違いにして座ってらしたり、
かと思えば手前の玉雪さんが横向き、奥の功一さんが打掛に向かって正面を向いていたり、
特に決まった形はないのかもですが(笑)
初日から無駄がなくコンパクトに綺麗に座ってらっしゃるなぁという印象でした。
特に打ち合わせてはいないけれど、この時間ここで待機するにはこうしてるのがいいだろう、
ということを自然とわかって動いてらっしゃるような感じに見えたけど、
単なる想像なのでわからないです💦


二日目の最初のお着替えの時、玉さまはお顔は正面からなるべく動かさないものの
後ろにいらっしゃる玉雪さんに対して何か仰って(客席にはなにも聞こえない音量レベル)
返事をした玉雪さんがハンカチか手拭いか何かを玉さまへ差し出し、
受け取った玉さまがそれで目元をおさえた後、功一さんに渡し、功一さんが懐へしまう、という場面を目撃‼️
功一さんが玉さまの前に座ってらっしゃるから正面からはあまり見えないはずですが、
下手側だった私は斜めから「ほー、こんなことが行われているんだ!」とまじまじと興味深く見てました(笑)
これが日常の玉さま&お弟子さん達‼️というなかなか貴重な場面でした。

揚巻の桜の衣装(Eテレの中継で映っていた)

お弟子さん達がさっとやってきて、玉さまがこの打掛に袖を通されます。
上半身の方が赤地に桜、その下の藍色のような生地とのコントラストがまた素敵で
金や様々な刺繍がされている打掛。

打掛を着た玉さまは、立って上手下手それぞれへ向かい、くるりと背を向け、
打掛をたっぷりと見せてくださる。
上手下手では少し斜めに身体を倒す形で見せてくださり、最後に中央で見せて下さる時は
両袖をすっと伸ばし背中の部分、そして全体が綺麗に見えるように伸ばしてくださる。
↑初日はそうだったんですが、二日目の三日は、
最初(上手、斜め)→次(下手、伸ばして全体)という風に、3回を2回にして
見せてくださっていたと思う。
その時の早すぎることも遅すぎることもない絶妙な間を持った魅せる時間と
打掛の広げ方、形、玉さまのお姿が物凄く素敵で、
この部分だけで一演目といってもいいくらいの素晴らしさでした。
番附に、口上の所作指導として花柳壽輔さんのお名前が載っているので、
もしかしたら打掛を見せるこういった場面も壽輔さんのアドバイスがあるのか
はたまた玉さまの長年の経験からなのか、どちらかはわからないし、
両方あって、のような気がしますが、あの場面はとにかく素晴らしかったです。

吉田屋 夕霧の衣装

赤い生地にきらびやかな金の鳳凰と、牡丹の刺繍。
吉田屋の最後のお祝いの場面で夕霧がほんの少しの時間着る衣装。

玉さまのお話では、上賀茂神社の中でたったお一人の方(女性かな?)が
一年かけて刺繍をして作られたものだそう。
複数で作るよりも一人の方が手掛けた方が、全体に統一感が出る?
(ここはもっと違う、素晴らしい言葉でお話されてたはず💦)
のでそうしてくださった、というようなことだったと思います。
あともう一着も確かそうだったと仰っていたはず。

天守物語の富姫の昼の衣装

御簾とくす玉の打掛。
くす玉は薬玉とも書き古くは中に薬草などを入れて厄除けとしたのらしい。
←玉さまもこのことを仰っていたかは忘れてしまった💦
天守物語は舞台が暗いということもあり、このような形で作らせていただきました」
とも仰っていました。金の刺繍のことかな?と思いますが忘れました💦
こちらの打掛は内側が赤というか橙の日の出が大きく描かれていて、
表を見せていただいた後に反転?少しひっくり返してその面も見せてくださいました。

天守物語の富姫の夜の衣装

玉さまが実体のない(違う言葉だったかも。実在しないとかそういう意味の言葉を仰ってたと思います)
龍がなぜか昔から好きで、と紹介された水墨の龍の打掛。
こちらも金の刺繍がされていて、そのことについても仰ってたはず。
※追記 友人に確認したところ、
「この世に居ないものを好きと言うのもおかしいのでございますが
(古い画家の絵や)~の龍の絵を見ておりますと、何かこう人間のすべてを
見守ってくれているような気が致しますのでございます」というようなことも
仰っていたそうです。

富姫の衣装二着は以前トークショーで展示されていたので
その写真をもう一度下に↓貼ります。

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富姫

玉さまが打掛を着て見せていただく度、打掛自体の豪華さ、手の込みよう、美しさと
玉さまのあまりにもうっとりしてしまうお姿、見せ方に大きな拍手と
ため息が漏れるほどでした。

打掛を見せてくださった後、玉さまが舞台中央で脱ぎ、後ろに置かれるんですが
その時が割と、ファサ!という少し男っぽい感じで置くのが意外でした(笑)

また、段取りが2日目は初日より格段にスムーズに流れるようになっていて
玉さまご自身も2日目に「初日は・・・でしたが今日はスムーズに」みたいな何かを
仰っていたと思うし、初日終演後にはいろんな変更をされたんだなぁ、という
手を抜かない、日々改良の積み重ねで作ってらっしゃることを
今回も舞台の隅々から感じました。
とはいえ、初日のこれから練られていくんだなぁといった感じも好きなんですが(笑)


口上の最後に、「こうしてお目にかかれないほど苦しい人生を送ってらっしゃる方が
いらっしゃることを思えば、ぬか喜びはできません。」←見かけた記事から引用しましたが、
十月までの口上と、お話というか何か視点が少し変わったなぁと聞いた時に思ったのですが
今月のコメントで、この不況により辛い状況の方への想いも書いてらして、
様々な状況にある方への気持ち、配慮のある、お心のこもった口上に感じました。
またそれだけでなく「まだまだこれから助け合っていかなければならない一、二年になる。
しかしこの舞踊の中だけは現実をお忘れいただきまして、幕が閉まりましたら
また精一杯生きていきたいと思います」←またも記事引用、ですがそう仰っていて、
目の前にいらっしゃらない方のことも、目の前にいる私達のことも、
どちらも忘れず多くの人のことを考えてくださって、とても嬉しく有難いことだなぁと思いました。


それぞれの打掛についてのお話がまだあったので、もし思い出せたら追記します(笑)
そして一記事では終わらなかったので💦演目については次の記事へ続きます。