やっぱりLiveが好き

目の前の空間を味わうのが好きな人の記録🍀

「坂東玉三郎 お話と素踊り」 その③ 7/3 すみだトリフォニーホール

そのの続き

〈質問コーナー〉

  • 舞踊などでとても照明が印象的ですが、照明について思うことなどあれば教えてください

→役者をやめたら照明家をやりたいくらい、照明についてはお好きだそう。

照明には二つあって、一つは「客席からどう見えるか」ということ。二つ目は海外?のようにリアリズムの追及。

夜以外なら、陽がどこにあってどこに反射したものがどこにあたるのか(日が地面に当たりそれが家の壁に当たったものが人物の顔に当たってる、とか)。夕方の日が沈んだあとにまだ顔が見えるくらいなら、乱反射、波状に顔に当たるので、日のある反射のときとは違う。

夜なら明かりとなりうるものがどこにあってどのようにどこにあたっているのか、ということ。

またお客さんが気づくか気づかないかのうちにだんだん変わっていくのがよくて、説明的に先走るのはよくない。

 

  • 家事はしますか?

→します。意外と思われるだろうけど、週1日皆が休みになる日を作っていて、料理はできないけれど、良い器に盛り付け、後片付けも割らないように注意しながら、中性洗剤ではなく石鹸で洗っていると。掃除もするとのことです。

 

  • 10代不登校ですが、日本舞踊は好き。学校にいかなくても日本舞踊の道で生きていくことはできますか?

→できます。自分の発言で何かを動かすとかはないし、法律もあるけど、という前置きをおっしゃった上での以下のお話。繋がってないところもあるので一文一文として読んでいただければ。


今若い人で自ら命を絶つひとが増えているとのこと。学校に行けるか、を生きていく道(好きな道で生きていけるか)と一緒にしなくていい、と。

学校に行かなくてもいい、と思います、と。

玉さまは幼稚園は1日でやめて(お母様がずっとついてきてくれると思ってたのにそうではなかったから)小学校は近くて通いやすいということ、中学は休みやすさで選び高校は役などがついて忙しかったので中退した、とご自身のことをお話くださり、

学校に行くのにも、好きな先生に会いにいくためだった。だから、そういう好きな先輩を見つけたり会いに行きたい人に実際に会ったりしたらいいと思う(学校というフィールドに限らずという意味で仰ってたように聞こえました)

今、リモート学習などがあるか、そういったことで教育の問題の本質は解決しない(物凄くあやふやなのでアバウトにとらえてください💦)先生もマニュアル化システム化によりどんどんきつくなっているのでは。

オブラートに包んで話してるのでもどかしい。一対一ならもっと言えるのに、と悔しい気持ちも滲ませてらして、最後に「学校に行かなくても好きな道で生きていくことはできます」とはっきり伝えてらっしゃいました。

 

ここからは私の感想です。

この方のそんなに長文でない質問の一語一句から、この方のこと(本心)が感じられて、とても心打たれました。

玉さまの学校に行くことと生きる道を結びつけないということ、ご自身の経験談、これ以上の方はいないというほどの方から「好きな道で生きていけるよ」と伝えられたこの方は、(全部私の想像ですが)今とこれからの強力な心の支えになったのでは、と思います。

玉さまが問題視してらっしゃること、学校教育だけでなく子供自身も、子供に影響を及ぼす周りの大人の影響やそのまわりにあるシステムや、もういろんなこと、向かってきた方向すべてのことを仰ってるように感じるし、私もそう思います。

学校に行くとか行かないとかそんなもので判断して無限の可能性の存在を小さくさせてしまうことほどもったいないことはないな、と(子供だけでなく大人も)。

この方が日本舞踊や玉さまを見つけたように、世界はもっと広いし、玉さまのような方に出会ったこと、こうして質問として出すという行動を起こしたことで、自ら良い方向へと導いたのだろうなと思います。

原因も状況もどうあれ、玉さまのこの言葉と想いによって救われる、視野が広くなる、気持ちが楽になる人が子供や大人にかかわらずたくさんいればいいなぁ、と思っています。

 

その④へ続く