やっぱりLiveが好き

目の前の空間を味わうのが好きな人の記録🍀

「坂東玉三郎 お話と素踊り」 その② 7/3 すみだトリフォニーホール

そのの続き

〈質問コーナー〉

  • 玉三郎』を脱ぎ捨てるときはありますか?

→あります。(玉朗さんのように)弟子(や近い人)はよく知っているけど、脱ぎ捨てるときはもちろんあって、だからこそ一人になる時間を多く持ちたいんだと思う、と。

 

  • 顔(化粧)するときにやり直すことはありますか?

→ない。自分でするようになる、できるようになるには段階があって、最初に白塗りを自分で、他の部分は人にやってもらう。そのうち他の部分も自分でやっていくようになるが、一番難しいのは眉毛。役によって形が違うのでそれを知ることと、片方の眉を一生懸命描いてても左右対称になるのは難しいのでちゃんと描けるようになるには時間もかかるとのこと。眉は二~三年かかると仰っていた気がしますけど違うかも💦年単位でした。

また、修正ばっかりしてると「修正子ちゃん」とか呼ばれてしまうと(笑)「子」ということについても、「今は男とか女とかそう一概には、いえないので(語弊があるかもしれないが)」という前置きがあった上でお話しされてて、隅々まで気を配って不快な思いをされる方がいないようにという配慮をされてたのだと思います。
修正について玉さまはどうだったかは忘れてしまったけど、やり直しはないとのことでした。

 

  • 桜姫東文章の草庵の場で良い香りがしていたが、あのお香はズバリ何ですか

→あれは、中村壱太郎さんの祖母、母方のお婆様(確か初代吾妻徳穂さん)が香道をされていて、壱太郎さんのお稽古をつけるたびに毎回違う種類を少しずついただくので、それを日によって変えて使っていたそう。

白檀や伽羅が多いが、伽羅は日本にあるが少ないのでなかなか手に入れにくなってきたので、そういうときは「しょうかく」というものを使っているそう。(検索したら、商品名として正覚、松鶴が出てきたけどどれかわからず)

 

  • 歌舞伎役者の道に進んでいなかったら宇宙開発の道を考えてたそうですが、無重力で踊るとしたら何を踊りますか?

莫高窟のような「天女」

この質問にたいしては戸惑われたそうなんですが、というのはまず躍りというのは重力と重力から解放された時(されたように見せる時?)から出来ているもので、身体の芯で重力をとらえることが重要なので、と。ですがそうでない無重力となると、「天女」と。

この躍りというものから「天女」になった回答にちょっと感激しました…なるほど、だから無重力だからこそ出来るものというのがそれか!と。

空を見るのが昔から好きで、今の道で来たので宇宙へは行かなかったけど今も空を見るのはお好きと。

 

  • 毎朝起きてしている習慣などはありますか?

日本茶の良いのをいれて、小松菜に果物を入れたジュースを飲むと。小松菜が苦いのでフルーツを入れるのと、あと口直しに緑茶を飲むんだそう。他に舞台の前には発声と柔軟体操、夜は家でストレッチとのこと。

 

  • 一般人が真似できるストレッチなどありますか?

→最近は立ち座りが辛くなってきたのでスクワットをしているのだそう。舞台以外に運動をしてしまうと外側に筋肉がついてしまうので、インナーマッスルを鍛えているとのこと。主婦の方も家事で運動になるでしょ?と。あと、背筋も弱くなってくるので、と。(とここで椅子に座りながら後ろを振り向く動作で玉さまの真後ろのスクリーンに気づいて「あら」みたいに反応する玉さま(笑))

厳しいことを言うようだけど、皆さんずっと続けられますか?私は舞台があるから続けられるけど、あと出来ることは食べすぎないということも大事と。飽食の時代だけど(役を演じる)江戸時代にそんな人がいるのはおかしいので、そのことも気を付けているとのこと。

 

  • あまり動きのないときにどのように演じてるか?

→(動きのあるなしに関わらず)その役の心が自分の中に流れているかということかわ大事。自分は動いてなくても、例えば権助、残月が来た時に桜姫として見ている、ということ。役の動作に気を取られていては、役を離れてしまうし嘘に見える。その役の心で物語る、存在することを目指しているが、完成ということはないとのこと。

 

  • (質問内容をあんまり覚えてないのであやふや)役の気持ちを伝えるのか光景を伝えるのか

権助に「会いたかった」と言うとき、当人は舞台で何度も演じてきているが、その役としてはやっと会えたという気持ちが必要。役と同じ体験はしていなくても、自分の中の引き出しから同じような気持ちを引き出す、と。

 

 

そのへ続く