やっぱりLiveが好き

目の前の空間を味わうのが好きな人の記録🍀

「二月大歌舞伎」 2/26,27 歌舞伎座〈神田祭〉

神田祭

唄が始まって待ちきれず、気持ちの前のめり
状態で、幕が落とされるだいぶ前から毎回
舞台を見つめてにざ様全力待機だったなぁ、
としみじみ思います…
前楽と千穐楽の感想です。


『於染久松』が玉さまにざ様の上手さに
ゾクゾクしてのめり込む感じなら、
神田祭』は始まる前から最後まで、本当に
期待でドキドキする演目だなぁと。

舞台全体の雰囲気の明るさ、にざ様を見れば
晴れやかな気持ちになって、次に揚幕から
出てこられる玉さまにうっとりして。
花道でにざ様鳶頭を見つけた玉さま芸者さん、
この時は舞台上に着くまで玉さまを見ている
ので、にざ様はどんな風なんでしょうね、
配信で確認します(笑)

そしてお二人が揃ったところで「ふぁーー!!
やったー!!!!」という気分に!!


それで、前回「ここかも!」と思っていた歌詞が
(玉さまが首を振るところ)違う場所な気がする…
清元「神田祭(かんだまつり)」歌詞と解説 | 俺の日本舞踊

男伊達じゃの ヤレコラサ 達引きじゃのと
言うちゃ私に困らせる 色の欲ならこっちでも

と思うけれど、どこだかわからなくなって
きたので(笑)こちらも配信待機!!
以前一瞬だけ「配信が苦手」なんて書いたけど、
こういう確認と、じっくり観ることは
凄くしたいんだよな…なんだろうこの矛盾…

お二人が向かい合わせで、一人が客席側に
もう一人が舞台奥へ顔を向けている状態の時。
前回、舞台奥を向いている玉さまは
にざ様の方を見ていた!と書きましたが、
今回でお二人ともお互いの目を見てらっしゃる
のがわかりました。
役として生きているのだから、そうだよなぁ。
愚問だったな、と今なら思う💦


にざ様の後ろに玉さまがいらして、伏し目がち
で、お互いの視線の先が交わる時、
正面から見つめ合う時とはまた違った色気が
感じられてここも凄くすきな場面。


玉さまが簪を落とす時って、「この辺に
落とさねば」っていう段取り的なものでなくて
意味ありげに落とすという、雰囲気のある
ところなんだな、という事もやっと確信。
そして一度簪がささりにくい日があったけど、
それ以外はすべて、すっ、とささっていたので
やっぱり『ココ』という位置があるみたい。
さすところも美しい…。


からんでくる若者たちを追い払う場面。
玉さまの芸者さんも、相当つよい…。
強いという言い方はいいのかわからないけど(笑)
手の甲で後ろにいる若者の顔面辺りを、パン!
とはねのけるだけだったり(笑)カッコいい。

にざ様が真ん中に、若者達が左右にずらっと
並ぶところ、動きがひとつのところも、
堪らなくいいなぁと思っちゃいます。
なんかね、凄く「いいなぁ」ってしみじみする
感じ。
ほぼ毎日あんなに体を使ったとんぼ返ったり、
大変だったろうなぁと思います。
間に拍手を入れたい気持ちもわかる!でも
流れをさえぎる気もしてなかなか観ることに
徹してしまってたけど、本当にお疲れ様でした
と、お一人お一人に大きく拍手を送りたい、
そういう気持ちでした。


そして、にざ様が椅子に座った状態で、
椅子ごと上に持ち上げられる場面。
千穐楽の日は、客席の拍手がいつも以上に
熱量がこもっていて音も大きくて、
この時も拍手が止まないんじゃないか、と
思ったくらい。
拍手に応えきっていたら、にざ様おりれなく
なるよな…と思ったくらいに長く熱くて!!
でも、普通におりられました(笑)


『玉雪さんが椅子を直しているのは何故か』問題。
かなりの玉雪さんのファンである友達ですら、
全然興味のないこの話(笑)
その友達は直してない時もあったし、と言って
いたけれど、まあ椅子直しには興味ないらしく
世の中でも注目してたのは私だけかもしれない
けど💦完結編として語ります(笑)

私が観たときはほぼ毎回直していて、で、
その後に何が待っているかというと、玉さまが
その椅子にお座りになって、目の前で
にざ様と若者が一列になってやりあっている、
それを見てるという場面。

上手でにざ様が下手の玉さまを見ているときは
いすが斜めだしでもわかるんですけど、
正面に直すっていうのは、目の前でそれが
行われるためかな、と。
ということで、勝手にそう思っています(笑)


椅子に腰かけたにざ様の後ろで、仁三郎さんが
色々直してる時があり、にざ様の襟元の辺り
とかを、サッサッと手を加え整えているお姿を
見ると、鮮やかで、やっぱり凄いなぁ素敵だな
と思います。

玉雪さんだけが仁三郎さんの方を見て合わせて
いるのかな、と思っていたけど、
仁三郎さんがちらっと玉雪さんの方を見ている
瞬間もあったように見えて、舞台を美しく
綺麗に見せる為にどれだけのことに気をつけて
らっしゃるんだろう、と思います。
(ちらっと見ている、というのはもしかしたら
ただ視線の先がそのように見えた、という
ことかもしれないですけど💦)


玉さまの一瞬の表情に、その前後とは違うもの
があって、どことは全然書けないけど
その瞬間を見て感じられる、玉さまの表現の
凄さ、的確さに圧倒されるけれど、
その時の『心』がどうであるか、ということが
そんな風に現れていて、それを感じているのかな、
なんて思います。


にざ様、玉さまが扇子をバッ!!と開く時は
やっぱり気持ちよくてカッコいい。
にざ様の方がより音が大きくて、開きかたも
大きく見えるのは、男性だからということなの
かも。


お二人が花道から揚幕へお戻りになってしまうとき。
頬を寄せる瞬間があるけれど、初日開いてすぐ
頃に観たときより、前楽の方が頬が近づいてて
「おおお!」と思ってました。
今年は三年前みたいにくっつけることは
ないだろう、とは思っていたんですが…!!!

前楽まではお二人が正面を向いて、頬を
寄せてらっしゃるような印象がありましたが、
千穐楽では正面というよりハの字のような、
特ににざ様のお顔の角度がそういう風に見えて
その寄せ方に、凄く愛を感じたんですよ!!
優しく気持ちも寄り添っているような、それが
周りに広がるような。
物理的に付くということ以外にも、こんなにも
気持ちを感じられるって凄い!!って、
その表現方法と心の表れかたがあまりにも
美しくて素晴らしくて、圧倒されました。


花道で、花道内側、外側、後方、2階3階と
あちこちにご挨拶をして下さるお二人。
この時の客席からの拍手は、とてもフルに
客席に観客がいないなんて信じられないほど
物凄く大きくて、きもちがこもりすぎるほど
こもっている拍手で、満席のときよりも
もしかしたら大きいかもしれないと感じる位の
あたたかい拍手がお二人に送られました。

こんなにも観る者に幸せを感じさせてくださる
お二人はいらっしゃらないんじゃないか、と
思います。
本当に気持ちが体中満杯になって、突き抜けて
しまうほどというか(笑)、はみ出すくらい、
それくらい幸福感が自分からわいてきてました。


にざ様と玉さまお二人が培ってきた50年、
お互いのことをわかり、あれだけの間と息の
合い方、観る者に当たり前のように染み込む
役柄と関係性、本当に素晴らしい方達を
観ることが、感じることができているんだな、
と思います。


ちょうど千穐楽に発表された、四月の
桜姫東文章』。去年、七之助さんに玉さまが
指導されてた、ということを聞いたとき、
「玉さまの桜姫、拝見したかったなぁ」と
ぼんやり思ってました。
(と玉さまについて思っただけなので、
七之助さんに他意はないのですが)
鷺娘と同じく「あるわけないよねぇ」と、
思っていたことが、また起こる!!
生きてたらこんなことがあるんだなぁ、と
まだポカンとしてますし、まだ映像の桜姫すら
未見💦(大事すぎて取っておいてしまう)

なので「あの伝説の!!」という知識だけの
所から「これを観ることが出来るなんて!!」
という実感になるよう、早く映像を見たいと
思います(笑)


本当に、にざたまが大好き過ぎる(泣)
そんなことを何度も何度も再確認した二月でした。