やっぱりLiveが好き

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「十二月大歌舞伎」 12/20,22 歌舞伎座 〈日本振袖始〉①

やっと行けたー!日本振袖始‼️
鼓童と合わせて行けたらいいなと思っていたら私の初日が遅くなったのでした(笑)
でもおかげで鼓童→玉さまのとっても良い日になった!

その後の22日の感想もまとめて書きます。
22日はカメラが入っていたので配信されるものかなと思います。


最初に黒御簾から聞こえる音が身体に響いて、ここでも「久々の歌舞伎座の生音♪」と感激。
そういえば9,10月はそれもなかったんだ!ということにここでやっと気づいた💦


幕が開いて最初に出てくる村人に玉雪さんと功一さん達。
岩長姫・八岐大蛇に捧げる生贄になった稲田姫のことを話している場面。
次は花道から現れた村人達と稲田姫。姫を山奥へ連れていき、一人を置いて村人たちは去る、というところ。

玉雪さんは、稲田姫に対して「気の毒に…」というような表情をしておられるのだけど、
功一さんは「もうこの世も終わり…」みたいに怖くてしょうがないという感じ。

村人を先頭で率いてる玉雪さんの役は、小高いところに稲田姫を連れていき、
玉雪さんの役のうっかり一一撃により稲田姫は気を失い一人残され
梅枝さん生贄まっしぐらでした💦
玉さまのお弟子さん達もいつもどんな風に出てらっしゃるか楽しみだから、
見ごたえがあって嬉しい今回の演目になってました。


この時に花道から登場した梅枝さんの稲田姫
衣装も何もかも白くて美しくて儚げで、役にぴったりでもう何も言うことがない!
声も台詞の言い方も心地よくて、梅枝さんは好きな役者さんだなぁと再確認。

玉さまも昔稲田姫は演じられたことがあると思うんだけど
玉さまの稲田姫はどんなだったんだろうなぁ、
観たかったなぁとこういう時よく思う。
(追記:筋書の上演記録を見ると、玉さまは岩長姫のみで、稲田姫のところにはお名前なしでした!)

気絶して一人残された稲田姫
そこに現れる岩長姫…すっぽんから玉さまが登場‼️
薄い羽織のようなものを頭の上から被せていて、それを取ってバッサーと動かしているのがカッコいい!!

稲田姫を見つけ襲いかかろうとするものの、酒のにおいに気づいて
かめから酒を呑み干していきながら、酔っぱらって良い気分で踊るところ、
その時短い間に見せる楽しそうでニヤっとした表情を見ては、こちらもニヤニヤ(笑)


かめを覗いた時に映った自分を見て驚く。

すっぽんからの登場の時恨みのような表情で出てくるけど、『岩長姫は実は八岐大蛇』と
筋書にはあって、他のものは読んでないから単なる予想、というかそうであってほしいな、
という思いなんだけど…岩長姫たった一人でそのように姿を変えてしまったのではなく、
姫のもつ心の黒い部分に、魔のもの、何かにつけこまれて
そういう心を昇華も制御もできないまま、何かに乗っ取られて、乗っ取らせてしまった、
のではないかなぁと。


玉さまを師匠として尊敬してらっしゃる舞踊家の梅川壱之介さんが、
玉さま復帰直後くらいに観劇に行かれたらしく凄く泣いた、ということを書かれていて、
具体的にはなかったけど、舞踊家でらっしゃるから
躍りから伝わるもの、
理解がきっとたくさんあるんだろうなぁと思いました。


後シテもあって派手なところに目が行きがちだけど、岩長姫の心が見え隠れするところを
もっともっとよく観て感じたい、知りたいなと思う。

色んな気持ちが表れる酒を呑み踊る場面の後、酒に入れられていた毒に苦しむ岩長姫。
花道でも悶え苦しみ、バタッ、バタッと倒れるところがあり
その時に岩長姫のあの量のある髪や着物の裾が、花道の所作台の外側まではみ出す程苦しむんだけど、
倒れるその瞬間に髪や裾の下にズササーと滑り込みたい衝動にかられる(笑)
二回見て二回とも、あぁ入りたい、たまらん!みたいな気持ちになってました(笑)


そこから今度は稲田姫を襲う場面。
登場の時に使っていた羽織をその後も使うんだけど、20日の日は稲田姫を襲う前に、
バサッ!!っとその辺に投げる姿がカッコよかった‼️
なんというかその男らしい姿がたまらんという感じ‼️
22の日はもう少しマイルドだった気がします(笑)


そして目が覚め逃げようとする稲田姫を、岩長姫は妖術で手元に引き寄せようとする。
玉さまのその手の動きと、梅枝さんの引っ張られている感も上手くて、
まるで本当に妖術使ってるんじゃないかと思えるほど。

そうして岩長姫が捕まえた稲田姫をいたぶるんですが、途中でニヤニヤ笑っていたり
その様子が見ててたまらない!


「沓手鳥孤城落月」の時には米吉さんの役をいたぶる役だったけど、
その時はひたすら怒りと憎しみの表情だったから、
いたぶりながらニヤッというのは珍しいし、
そんな玉さま(の役)を観ているのがなぜか楽しいんですよね(笑)

そして最後、稲田姫を飲み込んでしまうんだけど、
その時の表情も凄い…


好きな役者さんがこうした悪役を演じることも観ていて楽しい(笑)‼️ということを認識した
今回の日本振袖始。1記事で終わるつもりが全然終わらないので次に続きます→