やっぱりLiveが好き

目の前の空間を味わうのが好きな人の記録🍀

「九月大歌舞伎」 9/21 歌舞伎座〈映像×舞踊公演 鷺娘〉

〈口上〉

今回新しく聞けたこと、というか前から仰ってらっしゃるかもしれないが新たに覚えてたこと(笑)💦口上の最後の方で、


想い出の一コマとして、お楽しみいただければ


と仰っていたことが一つ。
あと、この後奈落を案内してくださる、という時に玉さまの後ろの大道具をしまう為の時間が少しあり、その時に、


外国だと『バックステージツアー』ですね(笑)
私もラスベガス(確か。ショーが盛んな都市名だった)に行った時、 本職を隠して参加したんですが、〈ここから先は入れません〉や〈立ち入り禁止〉というところがあって…


文末忘れました💦が!楽しまれた、というようなことだったと思います。
普段は逆の立場だから入れないところもないでしょうし、お客さんとして入ることが新鮮だったのかなぁ、なんて。
〈バックステージツアー〉という言葉を聞いたときの、「玉さまから〈バックステージツアー〉の言葉が出るなんてびっくり!!」という、『和』の中にいきなり放り込まれた『洋』に驚いて面白い、みたいな客席の反応があって、私もこのバックステージツアーのことは、興味津々で聞いていたのでした(笑)



前回、振り付けの勘十郎さんと振りを変えるご相談をされたのかななんて思いましたが
今回もはっきりとはわからないけど、振りは変えてるようにも感じなかったし、
もしかしたらどこで登退場するのか、ということかもしれないなぁ、と。

というのが、一回一回の出演時間は八千代座より長くなっているけれど、
登場されるところが結構印象的な所なんですよね。

  • 最初~「縁を結ぶの神さんに」よりもう少しだけ後のところまで
  • 海老ぞりの一番反っているところから戻ろうとするところ~最後まで

どこを見ていただくのが一番いいか、歌舞伎座に合うのか、ということを相談されたりしたんでしょうかね。
全然わかりませんが(笑)単なる予想です💦  


〈映像×舞踊 鷺娘〉

何度も書いてることだけど(笑)最初の白無垢の場面、ひとことで言うと、何もかもが好き(笑)!!!
どこが、とか限定できないくらいどの瞬間も、惹かれているというか・・・。
玉さまの演じている鷺娘のその心そのものを、目に見えるものにも、そうでないところにも常に感じているんだろうなぁ、という気がする。
目に見えるところだと、着物のラインが肩から袖までピンと張って、袖の中に手をしまい込み、鷺のように内側に丸めたりするところだったり、
綿帽子の下で見ている視線のその先、とか。それだけでは全然ないんだけど、こんなに気持ちが引っ張られる方って、やっぱり玉さまなんだよなぁ。

あと、今回「いいなぁ!!!!」と思ったのが、鷺の精が最後に倒れこんで息絶えるその前の、暗がりの中で一人上の方を見ている場面。
薄暗いしんとした静けさの中で、真っ白な魂がそこにただ在る、というか。仰ぎ見る鷺の精の姿を見ると胸詰まるようなそんな感じでした。


〈カーテンコール〉

花道まで出てきてくださってた時がある、というのを聞いて「いいなぁ!!」と思ってたんですが
この日、一度目の拍手で幕が上がり、息絶えた鷺の精の姿のままの玉さま。
二度目で座った状態で三方にお辞儀をされ幕が下がり、最後に手を鷺のような鳥のような感じで片方広げてその腕が床に着くようにお辞儀。
三度目で立ってその場でお辞儀をされ幕が下がり、
四度目!!!上手の隅の前の方まで出てきてくださり上の方も下の階も見てお辞儀をされ、次は下手へ!!!
花道まで出てきてくださったー!!!花道外の方のお客様の方にお辞儀をされ、後方、花道内側へもお辞儀を、そして舞台中央へ戻られ、幕が下りました。

望みが叶ったー!!!
玉さまが本当にあらゆる方向の観客のことを見てくださり、こちらも拍手をたくさん送ることが出来て良かった!!最高でした!!!



♕観劇後

終演後、お隣の席の女性の年配の方が、
「素晴らしかったですねぇ」とニコニコな表情で伝えてくださり、舞台上から客席に落ちた雪の花吹雪を手のひらに拾い大事そうに見ていて、
この方にとってこの一度の観劇がどんなもので、すこし先の未来から見たときにどんなものになるんだろう、と思って。

以前は「私も私も!」みたいな感じの人もいらしたけど、
そういう一人一人の背景もここに来るまでも、この先も知るわけがなく…
そんな中でのご縁を、玉さまは想像していたり、どこからともなく感じ取っていらっしゃるのかな、なんて、口上や普段言葉にされることから思いました。

雪の花吹雪と鷺娘の想い出と、袋いっぱいのお土産を抱えて、満たされた気持ちでお隣の方は帰って行かれるんだと思うと、観劇・玉さまが人に与える力って本当に凄いなぁと、あらためて感じたのでした。