やっぱりLiveが好き

目の前の空間を味わうのが好きな人の記録🍀

松竹大歌舞伎(中央コース) 7.14 グリーンホール相模大野・7.29 鎌倉芸術館

巡業公演を初観劇してみました。近いところがあったにもかかわらず、玉さまの公演t被ってる!!というわけでもう少し範囲を広げて、相模大野へ。

一、人情噺文七元結

芝翫さん演じる長兵衛は、落ちぶれてしまったものの人情に篤くて、でも重すぎず軽さが絶妙で、こういう人情話が合う方なんだなぁって思った。何年か前の平成中村座ではもっと軽いお坊さんの役だったけど、その時も、うわー!この役ぴったり、って思ったし。娘のお久ちゃん、吉太朗くんもけなげな娘さんが合ってて、角海老から戻ってきたときのお化粧をして綺麗なお着物を着たお久ちゃんが凄く可愛かった。

角海老の女郎の一人、玉雪さん。先月初めて女形を拝見したときも、お化粧した姿が綺麗だなぁと思ってたけど、役がそこまで、女形女形したお役ではなかったから、今回はどんな感じなんだろうと思ってたら!!・・・凄くお綺麗。しかも色っぽい!打掛を直すお姿とか物凄く色っぽくてめちゃくちゃ興奮した(笑)しかも最後、舞台の奥に引っ込む時、草履?を履いてパタパタパタっていそいそと歩くお姿が可愛かったー!一瞬だったから、あーもう一回観たい!って思って結局鎌倉も追加したのです(笑)

鎌倉ではその半月後だったから、さらに慣れてらした?からか、打掛を直す回数は減っていて、でも同じ女郎の方とお話されたり微笑んでらっしゃる様子はやっぱり素敵だった。女性だわ・・・って思った(笑)相模大野で観たときは二階からだったけど、鎌倉では一階の真ん中位でもっとよく拝見できて、観て受けた印象が最初よりもかわいらしく落ち着いた女性、といった感じで、最後のパタパタ、も相模大野ほどではなくて、もっとおしとやかな感じの女性という風に見えました。普段立役でも完全に女形が出来るなんて、やっぱり役者さんて凄いよなぁ。

角海老の女将さんお駒の秀太郎さん。たぶん、今までにも何らかのときに拝見していると思うんだけど、このかたの女将さんとしてのどっしりとした安定感、こころが動く感じ、いいなぁ。前に玉さまがこの役を演じられていたことがあるということで秀太郎さんの着ていたお着物、これは!玉さまにお似合いになるよぉ・・・ってそこに玉さまいらっしゃらないのに重ね合わせてみていたりもしました・・・。

梅玉さん。この方もそう。こなれたご主人という感じがまさに!という感じで、はいとてもよかったです。

最後、文七とお久ちゃんが結ばれるなんて、なんて素敵な話!!歌舞伎なのに超超ハッピーエンド!!こんなに清々しいきもちになれるお話もなかなかないなぁと思った。だから、なおさら、鎌倉追加になんの躊躇もなかったんだよね。重いお話も好きだけど、こんなに幸せなお話も最高だなって改めて思った。

二、口上

鎌倉(巡業千穐楽)が、芝翫さんたちの襲名披露最後の公演だったそうです。歌舞伎座で見る口上も豪華で良いけど、地方公演で見る口上も特別感があってよかったなぁ。梅玉さんと秀太郎は役の時と同様こういった時もさすが。安定してこういうことが出来る人って見ていて好きなんだな、私は(笑)梅花さんの口上も気持ちが温かくなるようで、自然に拍手をしたくなるようなとてもいい時間だった。

三、棒しばり

後ろに地方さんたちがずらっと並んでらっしゃる様子、また、これより前でも生の音が聞こえてくるとき、あーそっか!地方でも生の演奏なんだ、歌舞伎だから。贅沢だなぁていう気分になりました。そうなんだよ、それがとても嬉しいことだなぁと、改めて実感した。橋之助くん、福之助君ふたりの棒しばり。若さ溢れる、という感じで、相模大野では扇子を落としてしまったりという場面もあったけど、鎌倉ではそういったことは一切なかった!!相模大野よりさらに落ち着いて演じてらっしゃるような感じもしたし。打ち出しがこの演目で、凄く晴れ晴れとした明るく爽やかな気持ちで終われてよかった!