おととしの「越路吹雪三十七回忌追悼公演」で初めて来た以来の日生劇場。玉さまが越路さんを聴きに来ていた想い出の場所を見て体で感じることが出来、そんな素敵な場所で玉さまの歌を聴くことができたこと。またその歌「妻へ」に、わけもわからず感激して、ペギーさんと最初で最後の共演、そこで玉さまの優しさとペギーさんの歌からシャンソンの底力を知り、「すみれの花咲く頃」冒頭の玉さまの歌声があまりにも素晴らしくて幸せな記憶しかない場所へまた来ることができて、しかも今回は玉さまのソロのコンサート、外観や美しい内装やホールの天井を見ては、本当に戻ってきたんだなぁ、ここで行われるんだなぁという嬉しいきもちでいっぱいでした。←二年前のこの日のことは書いてなかったのでこのことも追記。
八千代座から日生劇場へ場所が移り、日生劇場ではどのようになるのだろう、そう思っていたら…
一部
幕が上がった最初から違った!!!
八千代座では幕が開き、演奏の皆様に玉さま、とシンプルだったけれども、今回は光沢のある美しい青のシルクのような布で→ + このように舞台全面(前面)を四枚(二枚だったかも)で覆い、布が重なる中央のところに玉さまが下手を向きながらお顔だけ出してらっしゃる!!まるで世界のうた、のポスターのお写真のように!!(お顔だけがあのように見える感じ)
なんちゅう美しさ!!芸術!!
もうここで完全にノックアウト…凄い。で!で!その登場のあとにすぐに四方からその布がシュッと綺麗にひっぱられ、後ろの演奏の方たち、ステージ全体が現れる…この演出、天才…天才すぎる…
- 冷たい部屋の世界地図
この曲すでに大好き。聞けば聞くほど好きになる…歌詞の世界が玉さまにリンクする感じがして、曲も素敵すぎる。
「はるかなはるかな見知らぬ国へ ひとりでゆく時は船の度がいい」
ってほんとに玉さまに雰囲気がぴったりの曲。
井上陽水さんとの対談、本気で望みます。
- 少年時代
陽水さんが滑らかに自由に歌う感じだとすれば、玉さまのこの曲の歌い方はまっすぐな感じだと思う。いろんな歌い方が出来る中で、この歌詞の世界に合わせてらっしゃるのかも。
ここで玉さまのMCがあったと思う。やはり「冷たい部屋の世界地図」またほかの曲にもある「空」「雲」「海」などの世界観に惹かれる、お好きというようなことを、また
「五月の別れ」についても「星の降る暗がりでレタスの芽がめばえて」というのもよくわからないけれど(笑)でも陽水さんの歌詞には納得させられるのものがある、と仰ってた。
- 五月の別れ
衣装チェンジ、だったはず!白いスパンコールの衣装から、黒のスパンコールの衣装へ。
八千代座のときのような早着替えな感じではなく、玉さまの歌う部分が終わり、ヴァイオリンやウッドベース、チェロ、管楽器のソロが楽器が増えている分、ソロパートが増えて演奏が長くなっており、その曲が終わって次の曲が始まったら、玉さまが衣装を変えてのご登場。
- 誰もいない海
- 夜明けの歌
「夜明けのうた」について。今回も、岩谷時子さんの詩では「わたし」だが、玉さまが「ぼく」と歌ったところ、のお話もでて、で、この曲のときの照明が下手側からオレンジの光が横から差し込むようで、そちらに向かってそちらを向いて、玉さまが歌うことが多かった。というのは、その照明は太陽が昇り切る前の明るさが差してきた様子を表していたのだろうなと思うし、だからこそそちらを向いて歌ってらしたのだなぁと思う。八千代座で仰っていた、夜間学校明けの少年たちが朝焼けを迎えるという場面なのだと思う。照明が当たりそちらを向いて歌う、ということだけではなくてその風景が目に浮かぶようなそういう表現であり、演出だったと思う。
- 18歳の彼
ダリダの歌う原曲は「18歳になったばかりの彼」ということだそうで、この曲を検索してみると、岩谷さんの日本語訳が、いかに直接的でないのになにかは感じさせ、しかも品があるということがよくわかる。凄い・・・。
ここで衣装替えがあったと思う!違うかな・・・
そして18歳の彼から続くシャンソンの歌。このうちの二曲は、去年愛の讃歌ツアーでご一緒だった姿月あさとさん、真琴つばささんがお歌いになった曲を今回は玉さまが!!!
- そして今は
「ボレロ」のような、力強いこの曲。去年は姿月さんがお歌いになって、まっすぐ前を見つめて歌う姿、どっしりと大地をつかむような歌い方がとても印象的だった。玉さまがお歌いになるとどんな風になるんだろうと思ったら、まっすぐにというより、自らガシっとつかみにいくようなとても力強く思いのこもった歌だった。
- パダムパダム
この曲とこの後の「待ちましょう」は「戦争を体験してないと書けない曲だと思う」と仰ってた。
「パダムパダム」は心臓の鼓動の音なのか、戦争で追われているのか、あともう一つ、なにかを仰っていたのだけど、この曲から感じるものをそのように例える玉さまの感性にハッとした。ハッとした割に覚えてない💦この曲も、去年真琴さんがお歌いになった曲。真琴さんは何かから目を離さないようなそういう感じで歌ってらした。玉さまはこの曲の芯を掴んでそれを全身で表すような歌だった。「そして今は」「パダムパダム」は去年のお二人ともまた表現、歌い方の違う玉さまで、この曲の表現を限界まで感じるような玉さまに圧倒された。この二曲はまた絶対絶対聴きたい!!!
- 待ちましょう
「『パダムパダム』と『待ちましょう』は戦争を体験していないと書けない歌だと思う」という玉さまのお話があったけれど、でもこの曲はパダムパダムとは全く違う曲調。
軽やかな曲でこの曲も大好きになった!歌詞をよく読んでみよう・・・。
- 人生は歌だけ
「去年の三橋美智也さん追善コンサートで歌わせていただいた曲で、八千代座で演奏家の皆さんとお話したら皆さん5歳くらいからずっとその楽器をひとすじにやってらして・・・」この後もう少しお話を掘り下げてらしたと思うけど忘れてしまった💦「今日は私は『歌だけ』ということにさせてください(笑)」と仰ってた!
- 水に流して
八千代座では本編ラストのこの曲(だったような気がする💦違うかも)日生劇場では一幕の終わりに。
二部
- 虹の彼方に
ここから一番上手の管楽器の方達の後ろに、コーラスの方達が登場。岩谷さんが作詞された歌詞で玉さまが覚えてらっしゃる(残したい)部分はそのままに、それをもとに玉さまが訳詞されたこの曲。八千代座で聴いた時は、自分が今まで聞いたことのある「虹の彼方に」のメロディではなかったけれど、二回目になると知っている何かにすり合わせようとする自動的な頭の中の思考をやめることができたから、よりそのままとして聴くことができた。コーラスが入ることがぴったりな曲でコーラスの方達が決して玉さまよりも勝つとかでなく、力強く厚みが加わる感じになっていて素晴らしかった!!
- スマイル
二部の登場の時からだったか、この曲の辺りの衣装は八千代座とは違って、ブラウンぽい生地にはっきりした柄がはいっているもの。そして襟もとにはキラキラとしたブローチ、指にはこちらもきらりとした指輪。
- マックザナイフ
この曲は日生劇場が初披露なはず。だってもしあんなにいろんなかわゆい玉さまを八千代座で観て聴いていたなら絶対覚えてるし!!
玉さまご自身がどうしてもスローでしっとりとした曲を好き、選んでしまうので、演出の小林さんからかな、この曲を提案されたけど、(歌詞の内容が)マックがナイフを取り出して人をころしてしまうけどうまく助かっちゃう、というような内容で結局全然明るくない、のようなことを仰って笑ってらした(笑)
この曲は「歌う」というよりも「演じる」といった要素が強くてメロディもほかの曲のように一定に続くようなものではないので物凄く難しそう。で、歌詞の中のマックがナイフを取り出す、のときにマックである玉さまがナイフを取り出す仕草、光る、のような歌詞の時には指輪を見えるようにして、マックを思い切り演じてらした!!「ハハハ」って笑うところがあったり、かわゆい玉さま炸裂なこの一曲!!でも歌い終わると玉さま、少し悔しそうな表情をされていたようにも見え、MCでも、「つたない歌を・・・」のような言い方をされていたので、歌いつつこんなにもあからさまに反省してしまう玉さま・・・私たちは大満足なんですが・・・とてもキュートな玉さまの歌。
でこの曲の特に最初の方で、ピアノとバイオリンの間くらいでマックを演じ歌っている玉さまを、バイオリンの人達はにこにこ見てらして、そう見られている玉さまを観ているのがまた眼福だった!!
- センド・イン・ザ・クラウン
- ある恋の物語
(この辺りの順番があやふや)
- サムウェア
ウエストサイドストーリーからのこの曲。凄く素敵な曲だったと思うがあまり覚えてない💦
- 星に願いを
八千代座でも仰ってた「ディズニーアワー」の番組のことについてのお話もあり、「妖精が虹色の粉をかけて、番組が始まるのが好きで」というようなことを仰ってた。
そしてステージも八千代座同様、背景に星空のような照明がついて、この曲ではコーラスもあり。玉さまにディズニーのこういった曲は合うし、コーラスが入ることでより厚みが出てとても素敵だった。
- すべての山に登れ
サウンドオブミュージックの歌。すべての困難を乗り越えてすすみなさいとい応援のようにも聞こえる、と仰っていて、ここでもコーラスがあり、力強くとてもよかった!!! 玉さまの歌もほんとによかった・・・。
この曲。凄いことがわかると思うんだけど、こんなに凄い曲を玉さまが歌いあげる・・・ほんとによかった!!
【英語】すべての山に登れ (Climb Every Mountain) - サウンド・オブ・ミュージック (日本語字幕) - YouTube
ナットキングコールのように素晴らしくは歌えませんが、忘れられない曲ということで歌わせていただきます、のようなことを仰っていたと思う。この辺りでのMCでも、マックザナイフの時のようなこと(つたない歌で・・・のような)を仰っていて、「演出の小林さん、舞台監督、表に名前の出ない人達も、いろんな人を巻き込んで今回の公演が・・・(いろんな方のお陰でできているが)でも明日にはもうわがまま言ってるかもしれませんが(笑)」とお話されていて、いつもトークショーでご一緒の梅川さんが今回裏方で参加されてたようなので、いろんな方の協力がないと成り立たない公演だったのだろうなぁ、と何もわからないながらも思って見てました。
アンコール
- ラストワルツ(最後のワルツ)
この曲がかかると寂しくなってくる・・・でも最後にぴったり。聴いている時の気持ちが、これまでのことがすべてつまっているようで胸がいっぱいになる曲。
このあとも拍手が鳴りやまず、スタンディングオベーションする人も一部あって、そして玉さま出てきてくださって、おじぎで終わりました。
初めて聴く曲、今まで聴いている曲、どちらを聴いてても、玉さまはより上手くなってらっしゃるという感じがして、歌と演奏によりその歌の世界観で会場をいっぱいにし、何より玉さまの歌に惹かれ、この時間があまりにも尊くて愛おしく、ほんとに大切な大切な時間だった。