やっぱりLiveが好き

目の前の空間を味わうのが好きな人の記録🍀

シネマ歌舞伎「鷺娘」上映解説会&坂東玉三郎トークショーその③ 11/14 金沢歌劇座

質問コーナー挙手編

Q.  (質問者の方は12、3歳の時に玉さま、パトリック・デュポン、ジョルジュ・ドンさん出演、モーリス・ベジャールさん演出の舞台に衝撃を受けて、人生が変わった、ダンサーを志し留学等されたそう。その後、様々なことがあったが、また踊りを始めて、出来るという気持ち、年齢を考えるとそうもいかない気持ち、両方あるが、身体等とどのように向き合っていくべきか。ということを質問していました。他の方に教えることもしているそう。今日この日に縁あってここに来れたこと、人生が変わった玉さまとお話しできたことに対してとても感激していらっしゃった)

A. 「簡単なことではなく、気持ちがいくら「出来る」と思っていても、年齢とできないことを受け入れなければいけない。客観的に冷静にとらえることが必要。人生の中で何が可能か、不可能か、と言うことを知ることが大事。50才からは色々と難しくなる・・・でも人生の捉え方の問題。大事なのはできないことを「出来る」と言って無理をしない事。自分が教えた誰かが出来ていくことを喜べるようになれたら(ちょっとここあやふやです)」

・・・質問者の方が質問を言い終えてから「(私から)質問をするかもしれないからマイクをそのまま持っていて」「(回答が)長くなると思うからどうぞお座りになって」のような声掛けをされていて、又、質問を聴いている時の玉さまが本当に真摯にこの方のお話を受け止めてらっしゃることが、その様子から感じられた気がする。

質問者の方も、ご自分の運命を変えた、変えてくださった玉さまに今お会いできているという喜びがにじみ出ていて、その方の人生そのものにも、質問にも、心揺さぶられてこんな瞬間に立ち会えて聴いているこちらも感激したし、感慨深かった。

 

Q. 玉三郎さんが金沢でやりたい狂言(公演)はなにがありますか?

A. やれるものが限られてきているので、(ここで質問の範囲というか意図を伝えるべく質問者の方が、金沢といえば泉鏡花ですが、鏡花作品は?などなげかけて)

例えば、泉鏡花作品のセリフをどういうか、などの解説とかならできると思います。(歌舞伎作品を持ってきて、やるということはなかなか難しい、という感じで、行きついた答えがそのようなことでした)

 

Q. (伝統的な楽器を習っているかたの質問)伝統芸能は昔は自分の芸以外は勉強しない方がよいといわれていましたが、今は別のジャンルでも使われたりしている。そのことについてどう思われますか?

A. 「ひとつ、その軸、根幹ができていたら、新しいものを学んでもいいと思う。それがないのに新しいものをやってしまうのはよくない」とのこと。

 

Q. 芸の継承をテレビでされていますが、他にどのようにつたえていきますか?

昔は口伝のみだったけれど、時代は変わったのでああいった形で明かしている。継承というのは難しく、型が出来たらいいというものでもない。守・破・離、この繰り返しがないと。

 

Q. 阿古屋と岩永両方を演じることについて。岩永は阿古屋に恋心があるそうですが両方を務めるお気持ちを教えてください

A. ずーっと阿古屋をやっているときから、岩永をやってみたいなぁ、と思ってたんです。三の線が好きなので。変装して忍び込んでいる気持ちがする。

 

Q. 梅川さんが今回のタイトルでもある、「美と心の在り方について、お聞かせください」と。

A. 「一言で言えるようなものではないです。(忘れたので割愛💦)天に向かって恥ずかしくない心がけをするのが大事」

 

最後の一言。

玉さま「今回できた金沢とのご縁が、今後どのようになるか・・・(楽しみ、というようなことを仰ってたと思います)砕けた話でなく固くなってしまいましたが、これからも、(人と直接対面していくような機会を)大事にしていきたいと思っております」

 

挙手の質問の時には、前のめりな感じで「よくぞそれを聞いてくれた!」という方や、最初の質問者の方のような心震えるようなこともあり、玉さまは、固くなってしまいましたが、と仰っていたけど、そういったお話も聴くことが出来てよかったし、

玉さまの在り方・・・質問者の方をまっすぐ見て受け止めてらっしゃること、お答えの内容や対応の仕方、どれをとっても素晴らしくて、同じ時間を過ごせたことが嬉しくて胸がいっぱいになる、有難い時間でした。