やっぱりLiveが好き

目の前の空間を味わうのが好きな人の記録🍀

舞台人

今月の玉さまは、かなりチャレンジな演目を手掛けていらっしゃると思う。歌舞伎座用に変えた「幽玄」。去年幽玄を初めて見たときはどう解釈したらいいかわからなかった。それは既存のものをなぞってなにか正解を求めて見ていたから。でも、これはまったく新しいものなんだ、と気づいた時に見方も感じたことも全く変わった。その演目を歌舞伎座で、これには賛否両論だろうなと思った。自分から人の感想を探すことはしないけど、目に入ってきたものを見て感じた傾向として、歌舞伎好きを自負する人ほど、「歌舞伎座なのに」「秀山祭なのに」というフィルターをかけて観ていることがわかる。一方で、自らものを作り出すことをしている人ほどそういったフィルターが一切なく、目の前にある「舞台」としてまるごと受け止めている、という感じがした。

私は、今自分が出来る最高のものをお見せする、という玉さまの「舞台人」としての在り方、姿勢が大好きだ。「歌舞伎役者」という枠に安堵した、そこから枠をはみ出ないように、なんていう小さいところでなく、もっと大きな、「舞台」として最大限にチャレンジして結果、これ以上ないというものを作って下さり、これでいい、と甘んじることのない玉さまを心から尊敬するし、そういう舞台人の人がとても好きだ。

もちろん、古典的な歌舞伎演目はその演目のあるべき姿としてお作りになっている。今回はそういった演目ではない。フィルターをかけてみるのも人の好きずき。でも、それによって見落としているものが多くあるような気がする。それも好きずき(笑)

素晴らしい舞台を、丸ごと受け止めて、感じられて、こんなに幸せなことはないです。そして、同じように、またはもっと深いところで感じてらっしゃるであろう何人かのクリエイター・・・表現者の方の感想を知ってとても嬉しかった。これからも、心を、目をくもらせるようなフィルターはかけずに、自分の丸ごとで感じて受け取っていきたい。

梅川壱ノ介さん@インスタ

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