やっぱりLiveが好き

目の前の空間を味わうのが好きな人の記録🍀

坂東玉三郎 越路吹雪を歌う「愛の讃歌」 8.3  ノバホール@茨城

仙台の帰りに急遽決めたつくば行き。なぜ関東なのに最初に外してしまったのか、今となっては行かないという選択がおかしかったとしか思えない・・・(笑)

後から取ったので、席はバルコニー席下手(一階より上にあるサイド席)。でも舞台に近い位置でななめ上からのお顔を拝見できる席でよかった!!

 

バラ色の人生~夢の中に君がいる~群衆。「夢の中に君がいる」の時の優しい表情を観ていられることが好きで、この幸せな歌詞の世界よありがとうって凄く思う・・・玉さまのお歌いになるシャンソンの曲を聴いていると爽やかな曲調であってもなかなか辛い内容のものも多いから、心から幸せって思えるこの曲は貴重な気がして。そのあとの「群衆」。「この手から恋を うばい去った」最後の「人の群れを私は呪うのだ」ここを歌い切った後、最後に至るまでのその時の玉さまの表情、佇まいがその世界になってらしてバサッとあきらめるようなそういった表情をされてらっしゃるのが凄く好きで、でもその世界が辛いから玉さまのその表情を観るのが辛いっていう矛盾・・・。でも素顔の玉さまでそのような世界観を見られることはなかなかないから、やっぱり好きなんだよなぁ。

三曲が終わり、MC。お暑い中、お集まりいただいて、ということを何度か仰っていて、車移動がほとんどであろう玉さまも十分すぎるほど感じてらっしゃるんだなぁと思いました・・・。いつも思うんだけど、「~でございます」という末尾のお言葉。お話されるときにこのような丁寧で綺麗なお言葉が自然に出ることに(感嘆の)ため息が出そうで一言一言を聴いていることが大好きで、それだけで幸せなんだよなぁ。で、この日つくばでのMC。この後のメドレー最後の「セントインザクラウン」この曲が歌われた舞台で、越路さんは浅利慶太さんの演出で舞台に立たれて、リサイタルでも浅利さんの演出の時もあった、と。浅利さんと玉さまがお仕事でご一緒することはなかったけれど、舞台のことなど色々お話はされたそうで、浅利さん岩谷さん越路さん・・・多くの方が亡くなってしまったけれど、いないという感じはしない、ずっとそこにいるようなそんな感じがする、と仰ってた。私たちが観て聴いているその空間も、玉さまが感じてらっしゃるその同じ空間であり、共有できているのかもしれないなぁ、と思う。

「ワンダフル・ガイ」この曲を調べてたら、ミュージカル「南太平洋」のジャネット・ブレアーさんという方が歌っている動画が出てきたんだけど、これはフルで観たい・・・。この方がすごくキュートで、真琴さんもコンサートで可愛らしく歌ってらっしゃるのが、なるほど、納得。「シャル・ウィー・ダンス・?」の時の手拍子も、「次打つわよー」ってわかるようにしてくださるし、玉さまの促されるそれを一緒出来ることが嬉しい!玉さまは手を横にして拍手するのではなくて、手を上下縦ぎみに綺麗に音がでるような打ち方で美しい形。「さようなら、ごきげんよう」以前は敬礼するようなしぐさがあったけど、最近ではそれはせず、手を軽くひらっとされて、立ち位置をささっと変えてお辞儀。紳士というのはこういうことをいうんだねっていう、颯爽としたかっこよさでほれぼれする・・・。

ミュージカルメドレーが終わって真琴さん姿月さんの紹介。お二人ともつくばは初めてだそう。真琴さんが、四月に始まったこのコンサートも残りわずか、と仰ってたことが辛い・・・。衣装のこと、玉さまの方が先に作ったものだからスパンコールの目が粗い生地というこのくだりのお話は定番になっているけど、真琴さんは「スパンコールの衣装は今までにも着たことがありますけど、模様が入っている物は初めて」と仰ってて、真琴さん達の方はキラキラが凄いのでわかりにくいけど、玉さまの衣装は模様が入っていることがはっきりわかるし、確かに柄物って見たことがないかも。去年の三月に越路さん追悼コンサートに出る時に、「もしや」「続くかもしれないと思った」から、生地を購入しておいたって玉さまが仰っていたけど、そのようなお話があったのか、まったくない状態だったのか、後に続いたのだからありがたい。

玉さまが、越路さんのリサイタルに行ったとき、劇場の後ろの方で観ていて、休憩になると他の方には見えないところに案内してもらいサンドイッチを食べていたというお話をされて、その話を受けて、姿月さんが「今日も玉三郎さんがサンドイッチを差し入れしてくださって、一個がとても小さくてきれいな、お上品なサンドイッチを・・・。サンドイッチ、お好きなんですか?」と玉さまに聞いてくださった!おそるそるといった感じで(笑)それでも聞いてくださる姿月さんが大好きだ(笑)!!で、玉さまのお答えは「(小さいと、公演に)差支えがないから」みたいなことを仰られて、こけそうになりましたけど(笑)トークショーでも何でも、好き嫌いに関してはあまり仰らないようにされているようだし、それよりぱっと食べられて満たされるもの、をいう配慮のもとでサンドイッチ、なんだろうなぁ。

そこからお一人ずつソロの歌、玉さまの「18歳の彼」の時に客席に背を向けてらっしゃるときがあるけれど、その時の玉さまはどのような表情をされているのかな、と思って僅かに見えるナナメ上からの角度から見ていたら、やっぱり上を見上げるようななんとも切ないような爽やかな表情されていた。最後に三人で「谷間に三つの鐘が鳴る」。この時に、玉さまと姿月さん、玉さまと真琴さん、演奏はあるんだけどほぼアカペラ状態でお二人で合わせて歌うところ、今では最初の頃の合わせている感がなくて、お互いを見てお歌いになっているだけで、息が合っているというか、自然にあっている感じがする。

二部。パリメドレーの時に、玉さまが自由にのってらして「パリ野郎」の時かな、玉さまが座りながらマイクを持ちながら手首をぐるんぐるん回してて(笑)そこでリズムとってらして無邪気な子供みたいでものすごくかわいかった!あと、リズムにのって足首を伸ばしたり曲げたり。玉さま、自由・・・(笑)。「セ・シ・ボン」の時、真琴さんと一緒にコーラス「セボンセボーン」と歌い終わったときにふたりで目を合わせてにこっとされるのがたまらない(笑)姿月さんと腕組まれたり真琴さんと手を組む時に差し出すお姿が完全紳士・・・姿月さんと腕組まれている時も本当に近い距離でお二人ともにこっとされててて素敵(って玉さまは姿月さん=私の側からはよく見えない側(笑)を見てらっしゃるからわからないんだけど、そうに違いない)。「幸福を売る男」の時に少しステップ踏みながら歩くときも、最初の時より本当に自然、なんて言ったら失礼かもしれないけど、でもそれだけ回数重ねて来られたということですよね。

アンコールでの「すみれの花咲く頃愛の讃歌」去年の3月の越路さん追悼コンサートからそうなんだけど、冒頭を玉さまがお一人で歌われるとき、玉さまを見つめる真琴さんの目がいつもうるうるしていて、その表情がとっても素敵。その真琴さんを見ているだけでもこちらも感激するし、玉さまを観ると、真琴さんがそう見つめるのもわかるくらい本当に素敵な表情でお歌いになってて。最初からこの歌を、特にこの冒頭を歌う玉さまがあまりにも素敵すぎてこの曲を好きになったけど、何度聴いてもそれは変わらない。

この日はカテコの回数も多く、またスタオベされてる方も多くて、私の隣の方も「これは素晴らしい」みたいに仰って思わず立ってらしたりもして、それだけ心動かされる素晴らしいコンサートでした。