やっぱりLiveが好き

目の前の空間を味わうのが好きな人の記録🍀

坂東玉三郎 越路吹雪を歌う「愛の讃歌」 5.13  ハーモニーホール座間

駅から会場へは徒歩15分、バスも出てるけど一時間に二本ペースで臨時バスも出てないため同じ時間にお客さんがいっぺんに乗ろうと長蛇の列を作るのでギリギリにいくには注意が必要な所。またいつか行く時があったら気を付けよ。

で、東京以来の関東でのコンサート。玉さまのお声は完全に回復された様子!良かった!!一曲目の「バラ色の人生」階段をおりてまた歌いだされるときに、会場を見渡して目を見開いてふっと息を入れなおすようにして歌われて、歌、声以外のそのお姿からもこうして玉さまは全力を尽くしてくださっているんだっていうことが物凄く感じられた。そういう一曲一曲で出来上がっているコンサートなんだよなぁ。

「群衆」いつにも増して玉さまリード、演奏の方達が合わせていくという感じがして玉さまがのびのび本当に気持ちよく歌われているような感じ。この演奏の方達だからこそできるものなんだと思う。

MC。先日、(NHKホールで共演された)霧矢大夢さんの舞台「I DO!I DO!」をご覧になったそうで、その舞台は50年前にも(1969年なので49年前)越路さんと平幹二朗さんが演じられたものだそう。玉さまはそんなに前のことなのに不思議なもので今でもはっきりと覚えてらっしゃると。越路さんのことをそのようにお話され始めて、記憶の濃さ=思いの深さというか、本当に心底越路さんの唄、舞台等を愛してらっしゃったんだなあということがそのエピソードだけでも十分に感じられるし、玉さまがそのように思ってお話されるときは、玉さまの愛したその時間、今の思いにもその瞬間だけでもこちらも少し触れることができるようで、切ないようなあたたかいような何とも言えない気持ちになる。

真琴さん姿月さんも加わってのメドレー。「サンライズ・サンセット」素敵な曲を、玉さまがお歌いになると素敵が何倍にもなる・・・玉さまのソロ、その後に真琴さん姿月さん達とお歌いになるけど、ずーっと聴いていたいー・・・。

「ワンダフル・ガイ」真琴さんの「恋してる恋してる恋してる恋してる」のあの曲!!かわいい真琴さんを見つめる玉さまを見ているのが好き(笑)

「シャル・ウィー・ダンス?」姿月さんソロ。後ろで玉さまと真琴さんが「シャール ウィー ダンス ♪♪♪」←♪の所に手拍子を入れる、を客席にもタイミングがわかるように手拍子を打ってくださっていて、ここは一緒に手拍子して盛り上げたいところ。今回はやらなかった(ごめんなさい💦)ので次からはやります。

「メイム」「私のお気に入り」「さようなら、ごきげんよう」←今日は敬礼はなかったような。でも、この日の玉さまは何かを指すときや音の何かを表すのに手をふんわりとひるがえすようなそういう優雅な仕草が多くて、素敵だった。

メドレー最後の「道化をよこして( Send In the Clowns)」この曲、この曲をお歌いになる玉さまが好きで好きで。玉さまがメドレーの始まる前にこの曲の背景を紹介してくださるのだけど、「リトル・ナイト・ミュージック」というミュージカルの曲で、中年の夫婦ほか四組の男女の話でやがてもとの相手のもとに帰る、その時の歌。この曲が切なくし美しい。あらすじをざっと見てみたけど、曲だけでこんなに心に残るんだからそこに至るまでのそれぞれの話を見てみたい。

メドレーが終わって三人でのMC。伊勢崎から始まり六か所目で、真琴さん曰く「私達、距離が近づいたようなやっぱり遠い(玉さま尊さゆえに)ような」に、玉さまが小さい歩幅でトコトコとお人形さんのように真琴さんに近づく(笑)かわいい!!!

姿月さんは「玉三郎さんは、真琴さんのことは<まこちゃん>(この時になぜか玉さま目を丸くされて驚いたようなかんじ。でもこの前ご自分でそう呼んでらしたんだけど(笑))、私のことは<しーちゃん>と呼んでくださって、しーちゃんと呼ばれるのは初めてでとても嬉しくて」に対して玉さま「ずんこさんって呼ばれてるんですって?なんで?」と直球質問(笑)姿月さん「じゅんこ、という名前もありまして・・・小さい頃からずんこ、と」それをきいた玉さまが「ずんちゃん」か「ずんこさん」とさっそく呼び始めていらした(笑)「しーちゃん」呼びを気に入られてた姿月さんなのに(笑)!!玉さま「(私は)玉ちゃんでございます(笑)」・・・玉ちゃん!!!かわいい!

で、なにかの時に玉さまが真琴さんを「まーちゃん」て呼んでらして真琴さん「(ついに)まーちゃん(て呼ばれた)!」って驚かれてた(笑)

衣装の話になり、真琴さん「普通のスパンコールより光っている」に客席から拍手。この日の客席はそういう、温かい、尊重する気持ちの感じられる拍手が多かった。玉さま「光すぎたかな(笑)」にも、笑って終わり、ではなくて、「でも素敵よね」みたいな感じのする拍手が沸き起こっていて素敵な客席だった。姿月さん「衣装のフィッティングの時も玉三郎さんが見てくださって、(こういうドレスの)歩き方、さばき方などを教えていただいた」と。この時、姿月さんは裾のさばき方、歩き方を実践するようにその場でぐるっと回られてて、だけど玉さまは同じような内容のべつの話をされてて、かみ合っていないんだけどそういう瞬間も面白い(笑)

真琴さん「玉三郎さんが普段聞いたこともないような美しい言葉でお話されるので、どう話せばいいかわからなくなってしまう(笑)」姿月さん「私は関西弁なので」玉さまがなにか関西弁でお話されたようだけど、真琴さん「京都のことばのように聞こえる」と。玉さまはコメントに書かれるような、あのままな感じの言葉でお話されていた。丁寧で言葉を大切にされるからこそ一言一言を素敵に感じて、とても心地よいのだろうと思う。真琴さんの、言葉づかいの話から、真琴さんが何か言葉を発するのに言葉を探しすぎて結果若干ずれた言葉を選んで自分でも笑ってしまうくらいグダグダな感じになってしまうということが多くて楽しすぎた(笑)

真琴さん「(恐らく玉さまが褒められることをあまり好まないので)玉三郎さんを褒めることはしません、ただ、皆さんキュートな玉三郎さんを見てください!」と。その言葉が出る前に真琴さん「人を持ち上げる時ってなんていうんでしたっけ?」ほめる、という言葉をだしたかったでしょうけど、持ち上げるって(笑)真琴さんあわてて「持ち上げるんじゃなくて!」って仰ってて面白過ぎた(笑)

この劇場は音が良い、の話になり、玉さまが「少し話が違うけれど、(ドイツの)バイロイト(という劇場)でワーグナー(のオペラ)をやるのはご存知だと思いますが」

 ・・・皆知らない(笑)真琴さんも「バ、バイライト?」玉さま「バイロイト」真琴さん「バイロイト!ね~皆さんご存知ですよね~(笑)」みたいなやりとりがあって(笑)真琴さんはじめ全員の知らなさと玉さまのこの温度の違いをうまく笑いに変えてくださる真琴さんが最高だった(笑)玉さま「六時間の上演で休憩時間が一時間、一時間の二時間あるんですけど、一時間は食事、もう一時間はお茶等の時間。最初が食事なら後がお茶の時間、に割り当てられて、全員がいっぺんにいそのまま移動して食事(休憩)出来るところが別にあって。客席が横一列ずらっとあって、客席の外側に扉がいくつもあってお客さんの移動が一歩通行」と仰ったら姿月さんが「一歩通行?(端の人は)「すいません、、すいません」てずっと出口の方まで?(歩いていかなければならない?)」玉さま「出入りは一方向でなくてそれは両方からできる。お客様がドレスを着てらっしゃるのに、座るところが木、板だったりするから、ドレス姿で座布団を手に持っているのが珍しくて。座布団をこう<バタン>と(お尻の下に)入れて」

真琴さん「二つ気になっていることがあるんですが、ひとつだけ。先ほど座布団を敷くときに<バタン>と仰っていましたけど、なぜ<バタン>(という音)なんですか?」玉さま「座るところが上に上がっているから、それをさげるときに<バタン>(座っていないときにはお尻で座る部分が上に上がっている状態)真ん中の人が立つ(移動する)ときにはまわりのひとが一斉にそうして(気遣いをして)立つんです」

真琴さん「歌舞伎と宝塚の違いは?」玉さま「それはよくご存じでしょう~(笑)」真琴さん「私たちはメドレーのときなどに、次のひとに渡すときに手を横にする(次の人に向かって促すような手の仕草)習性があって。歌舞伎はどんな習性が?」玉さま「歌舞伎にメドレーはないので(笑)」・・・真琴さん、習性、と言ってしまって自分で笑ってらっしゃった(笑)

玉さま「(真琴さんのお話の)二つ目ってなに?」真琴さん「あ、さっきの歌舞伎と宝塚の話で・・・」気になってきっちりお話に出してくださる玉さまでした。

玉さま「今までは越路さんのお話をしてきましたが、今日は岩谷さんのお話をしようと思います」と。越路さんが亡くなった後によくお食事を一緒にされたそうで、岩谷さんは越路さんのお話は仰らなかった。大事だからこそ心にとどめておかれてたのかもしれないと。岩谷さんの作詞された曲をレコーディングして終わった後、岩谷さんは放り出されてような気持ち、孤独になると。岩谷さん越路さんの歌詞、歌(曲)をこれからの人にも歌い継いでいってほしいと思います、と。

二部冒頭の「枯葉」このときのみ上下白スーツ。この曲の間奏で、三枝さんのピアノソロがあるけれど、その演奏がとても素敵だし玉さまも三枝さんの近くに行き、ピアノを聴くようにこちらに背を向けて立ってらっしゃる。次の「私の心はヴァイオリン」でも会田さんの前へ。その寄り添い方が素敵。

姿月さんの「そして今は」「恋心」は違う時だったかな?キリッとした歌の力強さと、のびやかな声、凛とした姿で歌う姿月さんがとてもかっこよかった。

「パリ野郎」の時か・・・あやふやだけど、姿月さんか真琴さんが玉さまと腕を組まれるところもあっていい!この辺りのメドレーで歌詞に「ピストル」が出てくるときに真琴さんが姿月さんと玉さまを打つしぐさ。お二人は打たれる仕草!この辺りずーっと見ていたい・・・。「幸福を売る男」この曲の時に踊りながらぐるっとステージ上を一周されるんだけど、その時に玉さまをじーっと見ているのが楽しい(笑)動かすのは足だけなんだけど、そういう玉さまを見られるのはこの時だけ。真琴さん姿月さんの足元も見えるんだけど、物凄く高いヒールをはいてらっしゃって、それくらいはかないとあのドレスと釣り合わないんだなぁと。そんな高さで踊って歌ってをされてるのはやっぱり凄い。

姿月さん「手を(男性が手のひらを上に向け受ける手として差出し、女性が手の甲を上に向け、男性の手のひらの上に手をのせる、の女性側)こうしたことがなかなかないもので、(女性の側の)この手を出来るのが嬉しい」と言うようなことを仰ったら真琴さん「でも逆にすると(玉さまが女性側、姿月さん男性側にして)しっくりきますね~」で、玉さま得意げな感じの満面の笑み(笑)その後も、カテコの最後の最後まで、ことあるごとに玉さまが姿月さん真琴さんの手を取ってエスコートされるようにしてて、玉さま願いを叶えて差し上げているんだ!!ってこっちまでキラキラした気持ちになった(笑)

この日は自由にお話されていて、歌ものびのびとされているようで本当に全編通して楽しかった。玉さま、真琴さん姿月さんの唄、演奏がとても素敵で、本当に言うことない。ずっとずっとこの時間体験していたい。曲、詩の素晴らしさもよりわかってきて、終わってほしくない。愛の讃歌では、始まる前から待ってた感の声も出てたし、カテコではスタオベに。客席全体の気持ちが十分に伴ったうえでのスタオベだったと思うし、座間でもさらに盛り上がって、心に響く歌をたくさん聴けて、本当に満足だった。