やっぱりLiveが好き

目の前の空間を味わうのが好きな人の記録🍀

「髑髏城の七人 Season月 上弦」ステージアラウンド 12/12 マチネ

上弦と下弦てまったく同じつくりなんだな、と見て初めて知った(笑)

上弦。OPの天魔王のシーン。天魔王の振り切れっぷりはあるものの、ずっと同じテンションなのでなく、この人は頭のいいキレ者なんだなってことを感じさせる緩急のつけかたで、その雰囲気をまとった踊りも美しいし、あのシーンだけで何回も観たい。腰を物凄く低く落として踊ったり、もうすべてめちゃくちゃかっこよかった。それに仮面を被ったときのセリフ、今までの天魔は割とどんな人も同じように聞こえたけど、今回は仮面を取っている時のように声の高低、しゃべり方を変えることで物凄く惹きつけられた。そういった工夫がいくつもあって、地図を書き換えねばならぬ・・・のところ。そのあとに「生駒ぁ・・・」って腰辺りにまるで子供みたいにすがるように抱き着くところ。いやー!!!このシーンってば!!!普段の生駒との関係性、というかどんなことしてるか(笑)がわかってしまうじゃないか!!幼児性を表してるのかもしれないけど、こんなことをこの一瞬で表せるんだ、表しちゃうんだ・・・あと、最後の捨との一騎打ちの所、だんだん鎧を外されていくたびに天魔の恐れが顔を出し、ついにただの布一枚になった時、まさかの端っこで体育座り・・・太一君の天魔王という役の掘り下げ方が細部まで凄くて驚いた。しかもそれを表すのが一瞬なのに確実にその背景を感じられるもので。あと、生駒を刺した後、知るものが少ないほど良い・・・みたいなセリフ、その言い方がまるで魔術使ってるみたいで(笑)落とす言い方と言うか、生駒に自発的にそうさせる術を持っている、そういう悪い意味で魅力的な人物なんだなと。人心を掴む人の男ってこういう意味だったのかなと。

その太一くんに対する蘭兵衛、三浦さん凄い!!上手いなんて言うと失礼だけど、でも太一君と張り合えること自体が凄いと思う。刀の使い方も殺陣も綺麗。髑髏城に向かうところまではいいけど、その後はどうだろうと思ってたら!!はい、これですこれ、まさにそうって言いたくなる思いの在りどころだった。無界の皆を襲いに行った時もそれそのものが楽しいわけではなく、信長公のことを思うこと自体が蘭のしたいことだったろうし、それが叶っている。無界の皆を倒すことがしたいことではない。そこに少しは迷いや思いがあってほしい。そう感じられる蘭だった。

兵庫も最高だった。重さのない、若さあふれまくりの兵庫だなって思ったけど、それこそ、そのまっすぐさが兵庫で、無鉄砲さこそ若さなんだなと。太夫への思いもとことんまっすぐで、まっすぐにぶつける。その気持ちに打たれてこちらにもまっすぐに届く。笑いのシーン、父ちゃんのじん平さんとの呼吸もぴったりで、間がよくて。須賀君、すっごく上手い。その父ちゃんのじん平さん、仁さんて間とか絶妙なんだなと。兵庫と息があってたし、面白さにつながってるのがよく分かった。「鍬は百姓のたしなみだ!!」「刈り取るだけじゃ・・・」って本当面白かった。まさか敵まで百姓出身とは(笑)こうして変えているのがリピーターへの有難い配慮なきがする。

太夫、渡京はさすが。太夫の貫録が兵庫とのでこぼこなギャップを際立たせてるし、凄く説得力があった。渡京も、やっぱ粟根さんだなと。当たり前に観ている新感線のあのテンションって本当に大変なんだなと。

いっけいさんの狸穴もよかった!ただ、自分が選んだひとに対して最後まで情に厚いのはやっぱり千葉さんだった。

天の最後、捨が身を乗り出してた。最初の方のセリフにも「殺すんじゃない、止めるんだ」ってはっきりと。そこがワカの頃とは違う。その辺をもっとちゃんと今度は見てみたい。でもとにかく太一君の天魔が本当に面白くしてた。わくわくした。最高だった。