やっぱりLiveが好き

目の前の空間を味わうのが好きな人の記録🍀

「坂東玉三郎 映像×舞踊公演」夜の部 八千代座 11/2,3,4

<稲舟>

舞踊集、平成5年の映像・・・24年前!!そんなに前なの、あの映像・・・。上から写す最初の場面から、立ち姿の時まで映像だったような。スクリーンが上がるとそこにスッと立ってらっしゃって、解説のときにも見られた、打掛を外すところも見ることができた。あの、立ち姿のときの斜めの美しいライン、打掛をそっと外すときのゆったりとした動き、外して袖をくるっとされた時、すべての動きがゆったりでしなやかで、遊女の内面が表れているようなあの雰囲気は、もっと動きのある舞踊とはまた違っていて特別。こういう曲であんなに艶やかで、切ない表現、シンプルなだけにその雰囲気があとまで残るようで、稲舟も観れてよかった。

<鷺娘>

平成17年5月の映像。その後もしばらくは演じられたんだなぁ。・・・まさか鷺娘を観られる日が来るなんて思ってもみなかった。もう観ることが叶わない演目、として映像で見ていただけだったのに、こんな日がくるんだなぁ。

最初はスクリーンの映像。傘を変えた辺りから玉さま登場。鷺のように表す裾に隠した手で丸まるところ、あの柔らかさと繊細さが観ていてもよくわかるし、好きなんだよなぁ。白無垢、というか白いお着物に黒い帯。綿帽子を取って、恨み、寂しさの溢れる姿が切ないけどでも玉さまにそういうお役は合うんだよね…引き抜きの前にスクリーンが下りた。

次にスクリーンが上がったのが最後の地獄の責めの時。2日の日は降る雪の量がそんなでもないけど、横からポンポン出てきて、おぉっ!と思ったけど3日、4日はそれ以上に凄かった!余暇からじゃなくて、あきらか全体に降らせる雪の量を増やしたのがわかって、ちょっと玉さまが見えなくなるほど。昔のように激しくは踊らないけれど、あの衣装で玉さまがそこに居る、カーテンコールで立ってらっしゃる、そのこと自体が自分にとっては奇跡で、泣けて泣けて仕方なかった。こんなにも見たかったんだな、欲してた、というか(笑)見たくて見たくて仕方なかったんだろうな、って思った。それくらい心揺さぶられて感激して、じゃんじゃん泣けてきて、泣きながら終演後に落ちている雪を拾う、という(笑)カーテンコールで出てきてくださった玉さまは、感謝と、ちょっと申し訳なさそうにも見える表情をされていて、2回目か3回目のカーテンコールでは、花道まで出てきてくださって一階後方、二階、とまんべんなく見てのご挨拶。あの衣装は、玉さまにとてもとてもお似合いで、他の衣装だって好きだけど、でも鷺娘は特別。そこに居る、居てくださる、それだけでこんなに人の心を動かすなんてね、やっぱり玉さまは凄い。