やっぱりLiveが好き

目の前の空間を味わうのが好きな人の記録🍀

「坂東玉三郎 映像×舞踊公演」昼の部 八千代座 11/2,3,4

京鹿子娘道成寺。NHKから借りた映像だそうで平成15年のもの。平成21年にも八千代座で道成寺は演じてらっしゃるから、これで仕舞い、というときの映像ではなかったけど、でもDVDの映像とも違う、初めて見る映像だった。

緞帳…定式幕色の緞帳が開くと舞台上に画面いっぱいのスクリーンの映像!公演直前のニュースで、玉さまがこの緞帳とスクリーンを寄贈されたそう。確か記事には二百万て書いてあったような・・・数字のことはあんまり書くものじゃないけど、うん、すごいね。書いちゃった(笑)ニュース映像で、この緞帳がしまったとき、真ん中の布がちょっともたついてたから玉さまが手で直してた。なので、帰り際自分も同じ場所を触ってきた(笑)触ってみてわかったんだけと、ベロアっぽい素材だった。他のものはどんなかわからないし同じかもしれないけど、玉さま好みの素材だなぁと思って。

道行、金冠・・・そして玉さま登場!!スクリーンが上にあがって本物玉さまが出て来られたとこの「おぉ~!来たー!!」っていうあの感じは何回見てもそうなる(笑)金冠の最後で、またスクリーンが下りてくるんだけど、おりてくる前に映像が(手前から)スクリーン、玉さま、玉さまの後ろの舞台の背景、に映し出されるんだけど、玉さまに映像が映って、映像と同じ動きをされている時、または少し違う角度や向きの時でも、映像の光と影、過去と現在と・・・と、意図されてのことではないかもしれないけれど、そういったいろんなものが交差して名前のわからないわくわくというか・・・自分が映像の公演当時に見ていたわけではないけど、懐かしさと寂しさ、でも今も違った形で踊っていただけているうれしさ、そういったものが一挙に押し寄せて不思議な感じ。とても好きな瞬間だった。

そして恋の手習い。最初の方からではなく、しばらくしてからの登場で、口上の時の解説した部分はほとんど映像だったような。

最後、振り鼓。玉さまが口上で「振り鼓」と仰っていたので、鈴太鼓でなく振り鼓って書いて行こう。で、振り鼓のパートが私はめちゃくちゃ大好きで、また観られるんだ!と思っていたら、その前の引き抜きが終わったところの映像後、すぐに玉さま登場!!ということでほぼ全編生身の玉さまで観ることができた(泣)五人道成寺の時は、五人だから音が大きいのかななんて思ってたけど、それだけじゃなかった。振り鼓自体の音が大きい!結構迫力があって、可愛いというよりかっこいいんだよね。玉さまが振り鼓を使うとき、振り鼓とばらばらになってない、すごく一体化してるような感じがする。五人の時にもすごく感じたんだけど、あれだけ滑らかに振り鼓を操れるかたってなかなかいない。手首の方から、腕の上の方へ、振り鼓を打ち鳴らすところなんて本当に独特で、体のそらし方、腕、首からお腹にかけての角度とか、柔らかくて鼓が体に吸い付いているよう感じられる動きで、どうやったらあんな動きができるんだろう、と不思議でじっと見ていたけど、終わってしまうまであっという間だった💦手首から腕へ打ち鳴らすときが3回くらいあってあの場面も物凄く好きなのに、終わっちゃうの早いんだよなぁ・・・。

鐘が下りてくるところ、その場面になったらスクリーンが下りてくる。鐘の中に入るまで、玉さまは踊られていて、いよいよ鐘に入った、となって少ししたら完全に幕。鐘に入り切るまで玉さまが踊ってらっしゃるのがよかったなぁ。さっと入って終わり、じゃなくてそこまで余韻が味わえるのが有難かった。

カーテンコール。八千代座のカーテンコールは熱くていい!二回、三回目があったかな。その時は一度舞台袖に下がって改めて出てきて下さり、上手の方、そして、花道、花道のすっぽんより少し奥まで行ってくださって深々とお辞儀をされて。始まった時とは違う表情をされているんだよなぁ。少し申し訳ないようなそんな切ない表情をされていて。有難い、という感謝の気持ちにも見える表情で。そんな玉さまを観ていると、また来年も来よう、って思うし、どうか来年も続きますように、って願わずにはいられない。それで、来れてよかったな、ってしみじみ思うんだよなぁ。八千代座は玉さまと、実際の距離も近いし、心の距離も縮まっている気がする。だから行くことが楽しみだしまた来年も、って思う。