やっぱりLiveが好き

目の前の空間を味わうのが好きな人の記録🍀

「坂東玉三郎 映像×舞踊公演」口上その2 八千代座 11/2,3,4

京鹿子娘道成寺について>

では解説に、となったら羽織を脱ぐために舞台袖に一度入っていかれ、お戻りになるのだけど、その立ち姿が美しい!!みとれてると次に進んでる(笑)

  • もともとはもっと短い演目だったけど、道行がつき、ただ頼め、の部分などがついて今の1時間15分の大曲に。舞台から引っ込んでいる時は休んでいるのだろうと思われているけど、汗をふいたり化粧直しをしたり、着替えたり、休めているのではない、と(笑)
  • 大事なポイント3つ。①静の中に動の心の動き②動の時の動の動き③体を使って物語るように踊る
  • 「乱拍子」金冠烏帽子をもって玉雪さん登場。烏帽子をかぶっている時は烏帽子の先がずっと上を向いているように頭をまっすぐにしていないといけない。鐘を睨む時だけは斜めにするけれど。鏡獅子のときの前シテ、頭の後ろに二本出てるもの(確か、もっとい、という名前)も、スッとまっすぐにたっていなければいけない。そのスッと指を後ろから出したタイミングが、少しうたを口ずさまれた後に一瞬のためがあってのニョキッ!だったからね、ピンクレディーのUFOぽくてかわいかったんだよね(笑)玉さまはそんなつもりではないしそんなことにはきづいてらっしゃらないはずだけど、ちょっと笑ってらした(笑)
  • 毬のあの辺り、張りと意気地の吉原~か、誰と伏見の墨染~のあとの部分のどちらかだと思うけど、そこは花見客をよけながら歩いてるって仰ってて、初めて知った。遊女同志、意地の張り合いですれ違ってる風に五人のとき思えたから。
  • 「花笠踊」「鈴太鼓」この二つは、二日のみの解説だった。たしかこの部分の解説のときかなと思うけど、「昨日はお話しませんでしたが・・・連日お見えのかたもいらっしゃいますので」と!ってまだ自分は一日目だから自分のことがばれているのではないからよかった(笑)でもこの時も、三日間とも、とくに三日目の夜の部は明らか昨日までとは違うお話を始められたので、気を配ってくださっているのだなぁ、ということをとても感じた。で、花傘のこと。これを使っている時の踊りは、体自体は中心からさほど動かない、動かすのは花笠のみ。花笠のところは省エネで踊る、その後の動きが激しいものへ体力温存、のような部分だそうで(笑)この花笠の動かし方が、玉さまは無駄な力、動きを使っていない、動かし方のテクニックのようなものでうまくきれいに動かしている感じがしたんだよなぁ。だからひっかかって開かないようなときが一切なかった。
  • 鞨鼓をつけた山づくしの時には、もう40分くらい?踊っていてすごく疲れているのだけど、まるで道行の時の今初めて舞台に出てきたようにでてこなければいけない、と。鞨鼓を打つバチついて。このバチは手をまっすぐにしたままではなく、くるっと回転させて返す、いつもバチの先が回っているようにするのだそう。確かにまっすぐのままだと、ちんどんやっぽい・・・(笑)打った時よりも打ってない時の手の様が重要だと。山尽くしの時は、山々を指すのにこういうふうに(かなり大げさに斜め下からいちいち山を指して見るような)する方もいらっしゃるけど、わたしはこのように(もっとあっさり自然に指すように)している、と。
  • 「クドキ、恋の手習い」手拭いをもっての解説。以前にもお話しされていた、京丹後で手に入った「貫八(かんぱち)」の重さの手拭い。この手拭いを上から振る動き、下にまあるく描くような場面を実演されて、その後にそれより軽い手拭い貫六?かな?それを同じように動かすと、軽い方はふうわりとした動きが出ず、すぐに沈んでしまう。それに比べて貫八の方は、空中でゆっくりおりてくるような柔らかい動きが出る。っというのを実際見せていただいてなるほど、だから貫八でないと、ということを本当にわかりやすくいせてただけた。「色気」についてよく聞かれるけれど、着物でも洋服でも、その姿だけだとどうともできない、と。今日のように手脱ぐいなどがあれば別だけれど。で、やっとお答えできると出てきた答えが「重力」と。この世のものはすべて、魚も鳥も、重力とともにある(この辺りが曖昧💦)「恋におちる」と言うように、跳ねたりしない。落ちる、と。で、口で手拭いの真ん中を加えて両端を山のようになだらかなラインを作る、このライン、そこから口にくわえたまま両手を離し、真中に折り重なった手拭い。体をくるっと後ろ向きに斜め後ろを見せるように、その時左肩にその手拭いの端を掛ける。そこまでの動きを、三味線の音を拾うような感じのうたでそれを口ずさみながら口にくわえた後は無音でしてくださった。これが日を追うごとにだんだん長くなり、肩にかける→座って化粧をし、鏡を見る、というところまで延びて行って、無音での動きの時間がすごく長くなると、観ているこちらもしーんと食い入るように見て、その実演が終わるとすごく熱い拍手でいっぱいだった。あのような瞬間はまず見られない、なんて贅沢な!!でも、四日の日かな、その日も無言でのその時間が長くて、最後の方でお客さんが少し笑ったら玉さまもクスッと笑ってた(笑)手拭の端がどこにあるかをわかっておくことが綺麗に見せるために大事なこと、と。
  • 「鈴太鼓」これも、自分が行った中では二日だけの解説だった。女形は小さく見えないといけないので、普通のサイズの大きな振り鼓ではなく、鏡獅子で子供?が使う小さい振り鼓を使っている、と。