やっぱりLiveが好き

目の前の空間を味わうのが好きな人の記録🍀

十月大歌舞伎〈夜の部〉 歌舞伎座 10/19

今日は今月の中で一番舞台に近い席。とことん玉さまから目を離すまい、と思って挑んだよ。

 

「孤城落月」

秋の色種もそうだけど、孤城落月は早く一階で観たくて、それがやっと叶った!!この演目こそ玉さまをよーく見て聞いて感じたかった。淀の方、セリフ一つ一つで気持ちも表情もどんどん変わっていく。悔しさ、恨み、怒り、ありのままにだしていて、どんなに人にののしられても芯の部分は揺らがない。秀吉のことに話が及ぶと、遠い目で懐かしむような表情になるし、なにより辛いのが秀頼に刀を向けられたことに気が付いたとき。そのときのセリフ。「殺しよるか」だったかなぁ。この辺り本当によかったんだよなぁ。子供に刀を向けられたときの衝撃。一瞬、正気に戻ったんだろうか。その淀の方の気持ちが入ってきたように何とも言えないつらさに涙出てきた。倒れて憔悴しきっていても、淀の方はもう居ない千姫の打掛に刀を刺し続けていて。錯乱状態で見ている視線の先、秀頼をまるで他人を見るように見ている時「顔が水で・・・」ところ、ここもセリフ覚えていたい。どの時の淀の方も見逃したくなくて、その舞台上で生きている淀の方をみられることが幸せだった。あんなにも精神的に消耗するであろう芝居を、今の玉さまで見られることがとても嬉しいし、玉さまには申し訳ないけど、舞台上の玉さまの役が辛くなってしまうほどにこちらは引き込まれるし、心をわしづかみにされるし、好きで好きでしょうがない。こんなにも精神的にダメージを負う役でなくても好きだけど、こういった役も本当に大好きだし、こんなに凄いお芝居を観ること、目の間で観られたことが有難いし、もっと観たいって思ってしまうし、本当にもっと観たい!あと一回じゃ足りない・・・。

 

「秋の色種」     

花道からの出が、まったく音がしないのでいまだに玉さま登場の瞬間が観れてないんだよなぁ。でも!ゆっくり静かに花道を歩いて、花道で踊り、舞台上に移動され、最後までそのどの動きも柔らかくて一瞬でも目を閉じたらもったいない!って思うくらい、どの瞬間の玉さまも素敵・・・全身で、手の動きで、足から体の角度からすべて、ただゆったりとではなくて何かを含んだような包み込むような空気を放っていて。虫の音を聞いて探すときの可憐さ、児太郎さんの手を取って、つないでいく時、玉さまは客席に対して手の甲を向け、児太郎さんはその手の中に指先を綺麗に並べてそっと差し出してる感じがね、たまらない(笑)玉さまと手をつなげるっていいなぁ。芝居のほうではあんなに集中して自分の思考をはさまないようにしてたのに、舞踊だといつのまにか自分の願望にすり替えてる(笑)本当に一瞬一瞬の動きに見とれてしまう美しさ。お着物の中に手を入れてるから見えないんだけど、指先を丸めて、内向きに向けてる時、可愛いよ・・・児太郎さんが玉さまの右肩に、自分の手、着物の袂の部分をそっと乗せるところ、玉さまが置いた(落とした、かも。そういう振り)扇子を拾って玉さまに渡すとき。児太郎さんのうっとり加減がそのまま自分にすり替えられて(笑)あのシーンは好きすぎる!!黒のお着物の時のカッコよさに扇子使いの優雅さに、本当に一瞬一瞬があまりにも素敵すぎてね、コタさんと梅枝さんのお琴の音色も素敵で、見ていると息が上がっちゃってしょうがない(笑)玉さま大好きだわ・・・。